ビジネス

2017.05.16 12:00

フェイスブックやグーグル、今注目すべき世界のオフィス6選


ウィーワーク(世界各地)

NY発、世界規模の一大コワーキング・コミュニティ

ウィーワークは、世界37都市155カ所に展開し、10万人以上の会員を誇るニューヨーク発のコワーキング・ネットワーク。入居企業限定のSNSやプログラムを提供することによって、「ウィーワーク コミュニティ」を世界規模で構築。独立して事業を営む入居企業同士が、いつでもコラボレートを実現できる環境を整える。

特筆すべきは、データドリブンでの空間設計。世界中のコワーキングプレイスから集めた、オフィス内での入居者の行動履歴等のビッグデータを分析することで、オフィス空間の徹底的な合理化を進めている。





2016年7月、上海への進出を足がかりに、香港、北京、韓国といったアジア圏への展開を進めるウィーワーク。一方、NYではアメニティーを完備した賃貸住宅を提供する「WeLive」を新たに開始。働く場所のみならず、住空間からウィーワークを広げようと試みる。

ファクトリー(ベルリン)

大企業がラボを続々新設ベルリン流企業集積拠点

ヨーロッパ随一のスタートアップ都市であるベルリンには、近年スタートアップとの提携を望む有力VCや大企業が結集。2011年設立のファクトリーは、200社以上の地元スタートアップと5万人のグローバルネットワークを繋ぐ、ベルリンを代表する企業集積拠点だ。

注目すべき動向は、ファクトリー内での大企業によるイノベーションラボの新設。製造業を中心とした老舗の大企業も、スタートアップとの提携を加速させている。大企業からコワーカーまで、多様なプレイヤーが混ざり合うファクトリーは、従来のオフィス概念で捉えられない“最新型の工場”といえる。





グーグルの起業家向けプログラムのサポートにより急成長したファクトリー。ベルリン発のサウンドクラウドから、ウーバーやツイッター等の米国系テックカンパニーまで、実に多様な企業が入居。14年には、ベルリン市長が利用するなど、分野・業種を超えてイノベーションを志向する人材が集う。

デロイト オランダ本社(アムステルダム)

スマホ連携空間 オランダ発“世界最高のスマートビル”

デロイトのオランダ本社が入居する「The Edge」。開発・企画の段階から同社がデベロッパーとタッグを組み、2015年に完成した。

目指すのは、科学的アプローチによる働き方の革新。ビル内の空間に埋め込まれた約2万8000個のセンサーが読み取った、ワーカーの位置情報や行動履歴と、スマートフォンのアプリを連動させ、会議室や作業スペースの手配、快適な照明と温度の調節等を全自動化。今後は、位置情報から空間を分析し、ワークプレイス側による、ワーカー同士の新たなコラボレーション機会の創出が期待される。



オフィスビルのスマート化の狙いは、社員のオフィス体験の向上。オフィスの滞在時間をいかに充実させ、高度に効率化するか。世界最先端のチャレンジが日夜実施されている。公開されていないビル建設に投じた多額の資金も現地デロイトのCIOによれば、8.3年で回収できるという。

山下正太郎 = 監修 フォーブス ジャパン編集部 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.34 2017年5月号(2017/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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