ビジネス

2018.05.28

チーム構築についての誤解 「エリートチーム」とは何か?

Yokosuka Museum of Art / by Getty images

組織の再設計において、エリートチーム(高い能力があり、機能横断的で、自主独立型のチーム)の形成が優先事項となる中、浮上し続ける問題がある。それは、エリートチームとはどんなものかという定義だ。

チームコーチである私が「エリートチームとはどんなものか?」と尋ねると、返ってくる答えは大抵、「分からない」というものだ。続いて「では、あなたが最後に所属していた素晴らしいチームは?」と聞くと、ショッキングなことに、「高校」というのが典型的な返答だ。自分が最後に属した素晴らしいチームを思い出すのに、高校時代まで遡る必要があるなら、職場でのチーム形成には根本的な問題があるということだ。

私がコーチしているリーダーやマネジャーは、皆がチーム形成に苦戦しているが、これは単に、こうした人々の全員が、協働的または体系的な思考ではなく、序列的な思考の中で育ったからだ。

まだチームリーダーとしては初心者でどう始めたらいいかも分からないにせよ、あるいはチームのコミュニケーションがアウトプットにつながっていないにせよ、こうしたリーダーたちは、より良い形での協働を通じて結果を改善したいと考えている。しかし、次のような誤解があるため、そのやり方が分からないのだ。

「チームビルディング」は「チーム構築」と同じ?

実は両者は別物だ。前者は「トラストフォール」や「ロープスコース」といった研修制度のこと。対して後者は、アクションラーニングを通じてチームの能力を強化し、その副産物としてリーダーシップ開発を促すことだ。

企業でありがちな問題は、年に1~2度「チームワーク」や「チームビルディング」活動を行ったのはいいものの、そのまま学んだことを忘れたり、実行のための計画が欠けていたり、その両方だったりすることだ。

これは、週に1日だけ意思決定をしたり、月に1日だけ他の人間とコミュニケーションをとったりするのと同じだ。きちんとした結果を出したいなら、リアルタイムでチームを形成していく必要がある。その方法の一つは、自分が観察したことを共有することだ。

チームコーチとしての私の仕事は、チームがどのように成果を生んでいるかを観察し、自分が個人/チームとしてどう「参加」しているかを理解してもらうことだ。それには、メンバーがどのように集まり、コミュニケーションし、“共に”決定しているのかという点が含まれる。リアルタイムでチーム形成をする最も早い方法は、私の見解を共有し、チームメンバーに“共に”検証してもらうことだ。
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編集=遠藤宗生

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