2. 毎日実践すれば、高パフォーマンスが維持できる行動は?
高いパフォーマンスはチームのタイプではなく、状態だ。採用候補者に「優秀なチームに入りたい?」と聞く採用責任者の話など、私は聞いたことがない。チームが高いパフォーマンスを発揮するようになる要因は、その行動、継続的に実践すれば高いパフォーマンスを発揮できる行動だ。
これを企業やビジネスの環境に当てはめたのが、「行動学習」だ。これは、リアルタイムで軌道修正することで結果を向上させる手法であり、国際アクションラーニング機構(WIAL)は「小規模なグループが、個人・チーム・組織として現実の問題に取り組み、行動を取り、学びを深めるプロセス」と説明している。
私がチームを指導するときに使う強力な規則「チーム基準」の一つに、メンバーが発言できるのは質問に答えるときだけ、というものがある。メンバーは、いきなり何かについて意見を述べたり、ただ何か言いたいからという理由で発言したりすることはできず、質問に答えるか、質問を提示するかのどちらかしか許されない。
この規則により、メンバーは発言する前に考えるようになる(これだけでも素晴らしいことだ)だけでなく、これから投げかける質問のもたらす総合的な影響まで考えるようになる。
誰かが軽率に発言したり、ただ「これは今言わなければ」との独断で口を開いたりした場合は、ホワイトボードに書かれた各メンバーの名前の横に「話したがりマーク」をつけ、誰が自分勝手な考え方から抜け出せないでいるかが明確になるようにする。これは非常に強力な規則で、この行動によりチームのコミュニケーションは完全に変わる。
チームを構築する秘訣は、一貫性だ。毎年開催されるが何の効果ももたらさないチームビルディングイベントなどは忘れよう。リアルタイムの行動学習を一貫して採用すれば、一貫したリアルタイムの成果が出る。
3. チームに維持させたいものは何か?
全てのチーム(そして全ての企業)には暗黙の規則があり、会議の仕方やコミュニケーション方法、意思決定方法が決められている。こうした規則は正式に決められていることもあれば、非公式なこともある。どちらにせよ、こうした規則は精神的な安心感をもたらすガードレールになることもあれば、安心感を阻むこともある。
うまく行くことと行かないことを記録し、安心感をもたらす規則を残しつつ、逆に阻む規則を取り除くにはどうすべきか、自分やチームに問いかけよう。
どのような成果が出るかは、あなたの問いかける質問によって変わる。自分自身やチームに適切な質問をすれば、必ずより良い結果を得られる。