インドで2位のアマゾン、2027年に取引総額「8兆円」達成へ

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アマゾンのインド部門の事業価値は約160億ドル(約1.8兆円)であると調査企業「Citi Research」が明らかにした。

「インドのEコマース市場は今後10年間、年率21%の成長が続き、2020億ドル規模に達する。その中でアマゾンは市場シェアの35%を握ることになる」とCitiは述べている。インドのGDPは現在2.6兆ドル(約288兆円)で、年率6~7%で成長している有望な市場だ。

先日は米ウォルマートが160億ドルで、インド最大手のEC企業「フリップカート(Flipkart)」の株式の77%を取得すると発表した。

「中国で振るわないアマゾンはインドでは結果を出す決意だ。インドは今後10年でEコマース市場が世界トップレベルにまで育つと見られる」とレポートの著者であるMark MayとHao Yanは述べた。

インドのEコマース市場は有望なマーケットだ。人口は13億人で、成人の6%しかクレジットカードを所有していないが、所有率は年間25%増えている。インターネットユーザーは4.8億人で、こちらも年間25%増えている。

アマゾンがインドに参入したのは2013年で、同国のビジネスはまだ黒字化していない。しかし、現在30%以上に上っているマーケットシェアは、2027年までは年間23%の成長率で拡大していく見込みだ。これにより、取引総額は700億ドル(約7.8兆円)、売上は110億ドルに達することになる。

ファッション通販サイトの「ミントラ(Mantra)」を傘下に持つフリップカートの現在の総取引額は75億ドルに達している。ウォルマートの出資を得たことで同社は生鮮食品の販売でも売上を伸ばせるとみられている。

アマゾンのインドでの取引総額は約50億ドルで、業界2位だとCitiは試算している。

ジェフ・ベゾスはインドでインフラを整備してビジネスを成長させるべく、50億ドルを投資することをコミットした。Citiによると、アマゾンはすでに42のフルフィルメントセンターと150のデリバリーステーション、25のソーテーションセンターを持っている。

アマゾンとウォルマートの戦いは見ものだが、インドではつぶし合うのではなく共に成長できる余地がありそうだ。

編集=上田裕資

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