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I write about success, leadership and communication.

(Photo by Spencer Platt/Getty Images)

ある企業の第1四半期の利益が創業から93年の歴史で最高に達し、その年の売上高と利益の指標が大きく伸びたのに、株価が6%下落したのはなぜか? その原因は、メタファー(比喩)の力にある──。

これは最近、米重機メーカーのキャタピラーで実際に起きたことだ。同社は先月、第1四半期の売上高と利益が予測を上回ったと発表。株価は5%上がったが、その日の終わりには6%低下し、ダウ平均株価が400ポイント以上落ち込む一因となった。ほとんどの投資家が承知の通り、株価は将来の業績予想に応じて動く。問題はまさにそこにあった。

キャタピラーの最高財務責任者(CFO)は電話会見で、第1四半期の利益幅を説明する際に「ハイウォーター・マーク(高水位線)」という金融でよく使われるメタファーを使った。

この言葉は、同社の利益増につながった物価に言及したものであり、同社の業績が事業サイクルの絶頂期に達したという意味ではなかったが、投資家からは即座にそのように解釈されてしまった。この「ハイウォーター・マーク」という言葉から、高潮の海、つまり絶頂期のビジョンが作り上げられたからだ。

業績発表が続く中、株価は落ち始めた。会見が終わる前に、同社のジム・アンプレビー最高経営責任者(CEO)は投資家をなだめるようと「私たちは、絶頂期に関する懸念を表したかったわけでは決してありません」と発言した。

キャタピラーの業績発表は9371語の長さがあり、その中で「ハイウォーター・マーク」のコメントが占めたのは0.02%だったが、このメタファーは瞬く間に広まった。コミュニケーションの技術と科学を理解していれば、これは驚くことでもない。

バフェットが頻繁に利用するメタファー

あるものを他のものに例える比喩表現であるメタファーは、話し手にとって強力な道具になる。株式市場を揺るがすこともできるし、選挙結果を左右することもできる。また、複雑な物事を説明したり、商品のデザインや営業をしたり、多くの人を高い目標へと鼓舞したりする目的でも使われる。

メタファーは説得の基盤となるため、コミュニケーションに携わる全ての人がすべきことだ。ウォーレン・バフェットもその考えは同じようだ。

編集=遠藤宗生

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