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2018.05.14 10:00

キャタピラーの株価を急落させた、たった2語の言葉


英紙フィナンシャル・タイムズによると、バフェットは公式な発言でメタファーを頻繁に使い「メタファーなしに文を終えることはほとんどない」。バフェットは成功を収めた企業を「侵入者を追い払う強力な騎士」が守る「経済の城」と呼び、バリュー投資のことは最後の一服が残った葉巻に例える。

株式市場での勝者選びは、絶好の位置取りでパスを待つバスケットボール選手であり、米国の医療コストは、米経済の健全性をむしばむ「サナダムシ」だ。このように、バフェットはメタファーを使って抽象的なものを具体化する。

メタファーは抗しがたい

メタファーに逆らうことは難しい。なぜなら、私たちの脳は世界をメタファーとして処理するようにできているからだ。

例えば、おしゃれなホテルの豪華なバスルームでシャワーを浴びる時、見慣れないタイプのノブがついていたとしても問題はない。今まで見たこともないものでも、“似たようなもの”を以前見たことがあるので、問題なくシャワーの操作をできることだろう。私たちは常に、新しくて見慣れないものを、自分の知っている何かと比べている。

メタファーは、なじみのないものに意味を持たせる修辞的な道具でしかない。あるものを、似たような特徴・性質を持つ他のものと比べることで、聞いている人がそのアイデアを理解できるようにする。非常に強力なので、ほとんどの人は自分が常にメタファーを使っていることに気づかない。

キャタピラーの株価に関して、メタファーを使って表現したニュース記事の見出しには、次のようなものがあった。

・キャタピラー、CFOの「ハイウォーター・マーク」発言で急落(tumble)──フォックス・ビジネス
・「ハイウォーター・マーク」発言、米株式市場に波紋(ripple)──ワシントン・ポスト
・キャタピラーが雄牛を動揺させる(rattle bulls) 株式市場が沈む(sink)──ブルームバーグ *「雄牛」は「強気筋」の意味
・キャタピラー幹部の「ハイウォーター・マーク」発言 投資家をおどかす(spook)──シカゴ・トリビューン
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編集=遠藤宗生

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