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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

ストライプインターナショナル、石川康晴社長

スマートフォンが普及し、「消費の形」が多様化している──。ECサイト、Web広告、SNS、実店舗。商品に出会う接点が昔に比べて格段に増えたいま、私たちの購買に対する行動プロセスは、オンラインとオフラインが入り混じり、より一層複雑になった。


2016年末、アリババの社長ジャック・マーが打ち出した「ニューリテール」という新しい概念。オンラインとオフラインをうまく融合させて戦略を立てていく「新しい小売業」の形だ。

今回、Forbes JAPANでは、ニューリテールを中心としたこれからの小売業の形について、「earth music&ecology(アース ミュージック&エコロジー)」「hotel koe tokyo(ホテル コエ トーキョー)」をはじめ、アパレルや飲食など15ブランドを国内外で展開する、ストライプインターナショナルの石川康晴に聞いた。

小売企業が使ってはいけない3つのワード

僕は、ある3つのキーワードを使っている小売企業には将来がないと思っているんです。

──3つのキーワード、ですか?

はい。「EC化率(※)」「店舗会員」「EC会員」です。この3つを使わないようにすることが、これからの小売業界やニューリテールの話をするときに非常に重要だと思っています。※EC化率:商取引の内、電子商取引(Eコマース)が占める割合のこと

小売業界の人たちは、すぐに「EC化率」という言葉を使うんですよ。いろんな会社の決算資料などを見ていても、ほとんどがEC化率をKPIに挙げ、「EC化率が上がると会社の利益が回復する」と思っている。でも、その考えは間違いです。

ニューリテールとは、リテール(小売)とテクノロジーを組み合わせて総論的に売り上げをあげていく戦略のこと。オンラインやオフライン関係なく一人の顧客体験で考え、あらゆる接点の中からユーザーが選べるようにすることが大切です。

だからECの割合がどれくらいかは関係ありません。店舗とECを分けて考えること自体が間違っていますし、「店舗会員」「EC会員」と言葉で区別したり、「EC化率」をKPIに置いたりしている時点で、全然ニューリテールを理解できていませんよね。

これからの店舗は「売る場所」じゃなくて「データを取る場所」

──まだまだ日本ではニューリテールの言葉や概念が浸透していないように思います。石川社長が、ニューリテールを考える上で必要だと思われることを教えてください。

ニューリテールでは、「店舗の役割を増やしていくこと」が非常に重要ですね。

──詳しく教えていただけますか。

まずはじめに、これからの店舗は「売る」場所ではなく「データを取る」場所になっていく、という視点を持つべきだと思います。

たとえば、女性ってよく足に怪我をしていますよね。靴のサイズが合わなくて、でも我慢して履きつづけて、結果的に靴擦れしてしまっている……といった人をよく見かけます。

現在だと、23.5cmサイズの靴をアマゾンで買ったら、同じ23.5cmサイズの靴のレコメンドされる。けれど、サイズ表記が同じだったとしても、すべてのブランドが同じサイズ感で作られているわけではありません。だから結果的にサイズが合わなくて靴擦れしてしまう、という事態が起きています。

この問題を解決するためには、その人の足の長さや幅や甲の高さなどのサイズを測って、その人に「本当に合う」商品をレコメンドすることが必要なんです。

文=明石悠佳 写真=小田駿一 聞き手=最所あさみ

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