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カリスマファンドマネージャー「投資の作法」

学生が開発した試作品を視察するイーロン・マスク(中央)。投資が明日の起業家を育てるのだ

積もり積もって、その額なんと約43兆円。日本中のタンスの中に現預金が眠っている。この“タンスの肥やし”を世に引き出せるか否か。それが日本の未来を決めると筆者は説く。


日本の個人金融資産は約1800兆円もあるが、そのうち現預金の占める比率が51.5%に達する。だいたい930兆円ものお金が現預金で、第一生命経済研究所の調べによれば、そのうち約43兆円が「タンス預金」だという。

実際に金庫ではなく、本当にタンスやツボにお金が入っていることが多い。私はプロとしてこのことを残念に思っている。なぜなら、金融マンよりタンスやツボを信じている人があまりに多いからだ。

金融庁が年に1回発行している報告書「金融レポート」の2016年度版に、次のようなデータがある。日本人で金融教育を受けたことがない人が71%。そのうちの67%もの人が「今後、投資教育を受ける気持ちがいっさいない」と答えている。



要するに、国民の約半数もの人が金融教育を受けたこともないし、今後勉強する気がまったくないと答えている。国民に2人に1人がそんな感じだ。それではタンスやツボにお金を入れてしまうわけである。

930兆円ものお金が世の中で動いていないので、それは金利を生まないから、一円も役に立っていない。投資や消費に少しでも回れば、世の中を動かす大きな原動力になっていく。

東芝の半導体子会社「東芝メモリ」も非常に価値のある会社だが、大半が外資系の会社に売られようとしている。総額約2兆円。もちろん小さい金額ではないが、930兆円の個人金融資産からすればまったく出せない額ではない。

日本の未来は日本人のがんばりで切り開かれる。グローバル経済の時代だから、何人がという話をすることがダサいのは承知だ。でも、やはり私たちの未来は私たちが切り開くしかないという当たり前なことに目を向けるべきだ。

もちろん政府の役割も大きいが、政府にできることはせいぜい、税金を上げたり下げたり、紙幣を刷ったり、多少の規制緩和をすることぐらい。日本の大小さまざまな会社が未来を切り開かなくてはいけない。

そのためには、リスクを取って勝負をしている企業に投資できるような環境が整っていることが大事であり、日本の企業群の健全な成長こそが日本の未来を切り開く原動力になるのは明らかだ。

文=藤野英人

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