ビジネス

2018.09.15 11:30

限界集落に新たなコミュニティ なぜ山奥に若者が集まるのか?


アクセスをよくするために交通機関を充実させる話はよく聞く。しかし、そこに予算を使うのではなく、そもそものコンテンツを充実させれば、アクセスが悪いことさえ、コンテンツに出来るのではないだろうか。

実は私自身も昨年10月に矢野さんを訪ね、ひとまきの拠点を訪れた。歓迎会を開いてくれたのだが、ほとんどが移住者だった。そして滞在者の若者は共通して、ネットリテラシーがとても高かった。ビットコインやブロックチェーン。最新のWebサービスやSNSの運用論など、都会のITベンチャー界隈と変わらない水準の会話が行われていた。

地域の差別化に必要なこと

自然が豊か。ご飯が美味しい。歴史や文化がある。どれも地域の魅力ではあるが、それは日本中、どの地域も魅力だらけで、それだけでは差別化にならない。

ひとまきの運営メンバーは全員SNSを活用し、ブロガーも多い。日本トップクラスのブロガーであるイケダハヤト氏もこの近くに住んでおり、さまざまな形で連携をしている。


2017年の12月に出来たばかりの新築シェアハウス兼コワーキングスペース

ひとまきは、限界集落だがテクノロジーに精通したコミュニティがあり、フリーランスやクリエイターとして生きていきたい人材にとっては魅力的だ。使われていない空き家、あまり知られていない産品など、伸びしろが豊富にある。この環境に魅力を感じる人材は多いだろう。

地域に人を集めるためには、どの地域にもあるようなものをアピールしても効果がない。「その地域の特色×コミュニティ」を意識し、不特定多数にPRするのではなく、どんな人に来て欲しいかを狙い定めたアプローチが今後さらに必要とされるのだと思う。

連載 : 地方創生のキーマン
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文=小幡和輝

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