31. チャールズ・シュワブ/オンライン証券会社チャールズ・シュワブ会長
2000年代初頭、我が社は躍進しました。ところが、ドットコム・バブルが弾け、会社が危機に陥ったのです。04年にCEOとして復帰した私は、成功が過ちを隠し、進むべき方向を見失っていることに気づきました。低価格、利便性、優れたサービスを投資家に提供する、という基本的な価値観に立ち返ることだけが、前へ進むための唯一の道でした。
32. J・W・“ビル”・マリオット・ジュニア/マリオット・インターナショナル会長
海軍に入隊し、士官室の担当になったときのことです。配膳係たちに新しいレシピを作るよう命じたのですが、従軍経験者の彼らは新人の私をまったく相手にしなかったのです。本来なら、「このレシピなら食事の質を変えられるのではないか」と説得すべきでした。ビジネスで最も大切なのは、「あなたはどう思うか?」と相手に聞くことでしょう。
33. ハワード・シュルツ/スターバックス元CEO
1987年の段階で私たちは11店舗、100人の従業員を持ち、利益と慈善のバランスを取るべきだと考えていました。スターバックスは米企業で最も早く、パート従業員に健康保険やストックオプションを提供した会社の一つです。当時、株主は株式の希薄化に怒り、懸念を持っていました。それでも、私は福利厚生によって会社はより儲かり、生産性が上がると説いたものです。
34. ジョン・ポール・デジョリア/連続起業家
社員の離職と適切な採用数にはいつだって頭を悩ませています。企業はしばしば、3人で済むところを10人雇ったりします。では、どうすればいいのでしょうか? 答えは簡単。「他人にしてもらいたいことを、人に対してせよ」ということ。仮に自分が社員と同じ立場だった場合、「こうあってほしい」と思うように、向き合い、給与を支払えばいいのです。
35. メグ・ホイットマン/HPEのCEO
巷では、正直や家族の大切さ、共同体意識、誠実さ、親切心、勇気、共感力といった、まともで常識的な価値観を犠牲にしなくては成功できない、という“神話”があります。キャリアが進むにつれ、「勝てば官軍」という考えも出てきます。しかし、私はそんな神話を信じたことなどありません。野心は敬うべきです。でも、無慈悲な野心は間違っています。