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I cover leadership - people, politics & policy - from a European view

Dimitrije Ostojic / shutterstock.com

シェアリングエコノミーは、金融危機や求人市場の停滞に伴い、人々が空いた時間と物を有効活用して稼ごうとしたことから始まったものかもしれない。だが、若者世代が物の所有権から「使用権」にシフトする中、今やシェアリングエコノミーは主流なものとなった。

会計事務所大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が最近行った調査によると、シェアリングエコノミーを最もよく利用する2つのグループは、収入が5万~7万5000ドル(約530万~790万円)の家庭と18~24歳のミレニアル世代だった。

また同調査では、シェアリングエコノミーによりコミュニティーが強化されると考える消費者が78%、生活がより便利で効率的になると考える消費者が83%、環境に優しく無駄を削減できると考える消費者が76%いたことも分かった。これは、ライドシェア大手のウーバーやブラブラカー(BlaBlaCar)といった代表的シェアリングエコノミー企業を超え、ラグジュアリー業界と共鳴する動きだ。ラグジュアリー業界は今、超富裕層の顧客に向けたシェアリングサービスを確立しようとしている。

欧州経営大学院(INSEAD)のデービッド・デュボワ准教授(マーケティング学)は、本稿のため私と交わした電子メールで「裕福な消費者は、ぜいたく品よりも、ぜいたくな体験への出費を増やしている」と述べた。「私の調査では、極上の体験によりユニークな効果が生まれることが、これの原動力となっていることが示されている。このため、高級シェアリングエコノミーの未来は明るい。サービス提供者は、ユニークな物や空間などを使った体験を組み合わせられるようになるだろう」

高級住宅業界では確かに、こうした流れがあるようだ。今年オープン予定のリッツ・カールトン・レジデンシズ・マイアミビーチでは、「シェアリングルーム」と呼ばれるスペースが用意される。住民はこの部屋に楽器や自転車、ランプ、スキー用品、ゴルフクラブ、芸術品、装飾品、ハンドバッグなどの高価な中古品を寄付すると同時に、その部屋にあるものを買ったり借りたりできる。60日間経過後にシェアリングルームに残っている物は、地元の慈善団体に寄付される仕組みだ。

このアイデアは、環境コンサルティング企業シンク・ゼロ(Think Zero LLC)の創業者で、ニューヨーク市持続可能性市長室の廃棄物ゼロ担当上級政策顧問を務めるサラ・カリー・ハルパーンが編み出したもの。彼女は「UHNWI(投資可能な資産が3000万ドル=約32億円以上の超富裕層)にとって、シェアリングが有用かつ魅力的だという証拠を多く見てきた」と話す。ハルパーンによると、ニューヨーク市のソーホーにある新たな超高級高層分譲マンションには、共有のBMW製電気自動車が提供されており、駐車場には充電スペースが数多く用意されている。

編集=遠藤宗生

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