リッツ・カールトン・レジデンシズのデベロッパー、ライオンハート・キャピタル(Lionheart Capital)の創業パートナー、リカルド・ドュニンは、高級不動産業界でもシェアリングの概念が広がる可能性があると考えている。「シェアリングの効果は金銭の節約だけではない。『シェアリングルーム』はコミュニティー感を生み出すとともに、環境にも優しく、他の場所では買えないようなユニークな物を発見するスペースになる」
240戸を抱えるフロリダ州の高級分譲マンション、オセアナ・バルハーバーでは、芸術品のシェアリングが施設の中核をなしている。同マンションは一流のアートコレクションを所蔵し、住人にその共同所有権を提供している。住人は各自の購入物件の平方メートル数に応じた持分を与えられる仕組みだ。
ジェット機の共有まで
邸宅間を飛行機で行き来するのなら、プライベートジェット版ウーバーはいかが? XOJET社は、1000機以上のプライベートジェットをオンデマンドで貸し出すサービスを提供している。価格は一体いくらなのか……?
同社のブラッド・スチュアート会長兼最高経営責任者(CEO)は、はっきりとは答えてくれなかった。「1回の運行や1時間ごとにかかる金額は、顧客の必要とするものによって大きく変わる。月額管理費や払い戻し不可の預り金は発生せず、利用の都度に支払う仕組み。シェアリングエコノミーによって、本来ならば2000万~1億ドル(約21億~105億円)の資産となるようなものを利用するための仲介・会員サービスが促進される」
スチュアートは、これがただのミレニアル世代の流行ではないと考えている。「人々は、消費者としてよりスマートで賢くなっている。物を買う方法は10年ごとに進化し、使い方に応じた経済的な購入方法へと高度化している。また人々は体験を重視するようになり、物を所有する重要性が下がっている。そして、買うかどうかの最終的な選択をする前に、商品を試し、その良し悪しを見極めたいと思っている」
どうやら私たちの暮らし方は、進化を遂げているようだ。