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ソフトバンクグループ創業者、孫正義

2月7日にソフトバンクグループが開いた第3四半期(17年4月〜12月)の決算報告会で、孫正義会長が正式に携帯事業会社である子会社の「ソフトバンク」を上場する方針を示しました。

これは、長年、孫さんの事業戦略について注視してきた僕には、ソフトバンクグループが携帯電話会社から新しいステージに移行する象徴的な出来事に映りました。世界が注目する孫さんの次の一手について考えてみたいと思います。

孫正義の「強い意思」が現れた一手

孫さんは、もともと「情報革命で人々を幸せにする」を目標に掲げ、300年続く会社を作ると言っていました。そのために提唱しているのが「群戦略」です。各分野のナンバーワンの企業を集めて、20〜30%を出資する。筆頭株主として影響力を持ちながらも、子会社や傘下のブランドにはしない。各自それぞれ自立した形でやりながら、グループ間のシナジーを出していく「戦略的持ち株会社」になる、というものです。

ソフトバンクの携帯電話会社を子会社上場するというのは、象徴的な出来事だと思いました。携帯電話会社から次の「群戦略」を実現する戦略的持ち株会社に移すという、孫さんの強い意志の表れを感じます。


出資している会社の一覧

孫さんは、農業革命、産業革命に続く第三の波として、情報革命を位置づけています。情報革命では、まずパソコンとインターネットが普及し、その次に携帯電話で一人一人の個人がインターネットにつながるモバイルインターネットが広まりました。その次に来るのが、IoTとAIです。IoTの本質は、すべてのものがネットに繋がる、つまり今まで取れなかったデータが取れるようになってくるということだと思います。

ソフトバンクグループが2016年11月に設立した投資ファンド、ソフトバンクビジョンファンドの投資先を見てみると、モバイルインターネットではなかなか取れなかった、ユニークなデータを集めている会社に集中していると見えます。

フェイスブックやグーグルは限界にきている

これは僕の考えですが、モバイルインターネットでは、スマートフォンの普及で個人にまつわるデータをどんどん集められるようになりました。パーソナライズされた広告を出せるようになり、収益性が一気に上がった。それがフェイスブックやグーグルです。

例えば、フェイスブックは個人にまつわる情報を出してもらうために、「いいね」を押して欲しいとか、コメントして欲しいとか、個人の承認欲求をインセンティブにしています。承認欲求を満たすために、ユーザーが個人の情報をどんどん自ら能動的に投稿していくような仕組みを作ったというのが、フェイスブックなどのソーシャルメディアがやってきたことです。しかし、そのやり方で取れる情報に限界がきていると思います。

例えば、多くの人は逐一細かくデータをそこまで上げていないですよね。「いいね」を押してほしいだけなら1日に1回か2回、投稿すればいい。取れるデータの上限が決まってきたということで、承認欲求をインセンティブにして、ユーザーに能動的にデータを上げてもらう仕組みに限界がきています。

次のIoTでは、ユーザーの能動的行動に頼らず情報を集めることができます。全てがネットに続いているので、自動的にユーザーのデータが集まるような仕組みになります。

例えば、スマートスピーカーを置いておけば、色々な情報が取れる。ソフトバンクビジョンファンドの出資先のウーバー・テクノロジーズや滴滴出行などのライドシェアも走っているだけで様々なデータが取れる。誰がそこに行ったという情報だけでなく、渋滞情報や道の情報などのデータが自動で集まってきます。2016年に買収した英半導体設計企業のARM(アーム)もそうです。アームの半導体が入ったデバイスのデータを取ることができる。

文=國光 宏尚

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