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2018.03.05 08:30

ドラッカースクールで学んだ「一人称」で語ることの大切さ

cendhika / shutterstock.com


日本ではこれらの問いにほとんどの人が答えられない。私もその一員だったわけだが、その事実に愕然とした。「自分は何者か?」「何をしたいのか?」という本質的な問いに答えられないのは、受け身や暗記の教育で育ち、社会に出てからも「与えられた仕事」をこなすことがよしとされ、その延長線上でリーダーやマネージャに昇進していくような仕組みで生きてきたからだと思う。
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しかし、前任者のやり方を踏襲すれば成果が上がっていた時代はとっくに終わり、今までの正解が通用しない状況にあるのは事実だ。変化が激しいこの状況において、「自分の軸を持ちながら自分ごとで物事を進めている人」と「軸がなく(もしくは他人軸で生きている)受け身な人」のどちらが強くしなやかさをもって成果を上げられるかというと、断然前者であり、40歳を過ぎて海外に初めて住み日本と世界のギャップをまざまざと見せつけられ、「このままだと日本はやばい…」とリアルに危機感を持った。

変化が激しい世の中で重要なのは「セルフマネジメント」だ。自分自信を深く理解すること、自分というリソースを使ってどのように成果を上げるかを体得することが大事である。

「まず自分自身をマネジメントできなければ、他者(組織やチーム)をマネジメントすることはできない」とピーター・ドラッカーが主張したように、まず「自分自身を深く理解すること」が根本にあり、自分から他者(チームや組織)へ影響力が発揮され、組織やチームのマネジメントにつながっていく。とはいえ、特に日本では自分自身をマネジメントするための方法を学生時代に教わってきたわけではないし、社会に出て上司や会社が教えてくれるわけでもない。
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先述の4つの問いは非常にシンプルだが、考えれば考えるほど奥が深く、答えるのが非常に難しい。しかしこれらは自分自身を深く理解するための入口となる。ぜひ時間をとってゆっくり考えて欲しい。そして、一度だけでなく定期的にこれらの問いに向き合う時間をとって、どんどん深めて欲しい。

ちなみに、私自身の「Who are you?」に対する今の答えは、「周囲の人たちがLove&Peaceになれる場を生み出し、その人たちがより幸せになるための支援をする人」である。これがシックリくるまでかなりの時間がかかり、かつ実体験で強く感じのだが、自分自身を深く知るには訓練が必要であり、深めて初めて見えてくる世界があることがわかった。そして、見える世界が変わってくると、自分の考えや発言が変わることも体験できた。加えて、自分の変化や発言の変化が自覚できると人生がより面白くなった。こうやって好循環のサイクルに入っていけた体験があるが、いずれにせよ、まずはこれらの問いに深く向き合うことが出発点だと思う。私自身とても時間がかかったが、この訓練は本当に役に立ったので、はじめの一歩としておすすめしたい。

文=稲墻 聡一郎

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