米テック企業アプライド・マインズ(Applied Minds)の共同会長で、ウォルト・ディズニー・イマジニアリングの元社長であるブラン・フェレンは、ザッカーバーグにはフェイスブック上で起きることに責任を取る必要があるとする。数百人が集まるパーティーの主催者が、その場で起きる出来事の責任を逃れられないように、20億人のユーザーを抱えるザッカーバーグはサイト上での言動の責任を放棄できない。同社が世界にとって崇高で善き存在になるには、責任を受け入れることが必要だ。
テック業界のベテランマーケティング専門家、マーク・ピリプチュクは次の点を強調した。「(ザッカーバーグが)どう思うかはさておき、フェイスブックはただのサイトではなく、新聞社だ。それは、ユーザーがサイトを新聞社として使っているからだ」
フェレンもピリプチュクも、ザッカーバーグにまずはジャーナリズムの基準を導入するよう求めている。ピリプチュクは筆者に対し、次のように語った。「フェイスブックユーザーの大半はニュースの出典を確認するよう訓練されていないか、わざわざ確認したりしない。そのため、フェイスブックでユーザーが見るものはニュースそのものだということを、ザッカーバーグは認めなければならない」
しかし、フェイスブックは長い間、この責任を避けてきた。同社には、わいせつな内容の投稿を削除しコンテンツを監視するための指針が存在し、そのための請負業者も採用されているが、真実の判定者となることは避けている。ワイアードは先日、同社の社内では「フェイスブックは開放的で中立なサイト」であり、コンテンツを作ったり編集したりしてはいけないとの原則が「ほぼ宗教の教義」と化していると書いている。
これに対してフェレンは「そんなものは忘れるべき」と話す。こうした責任はずいぶん前に認めているのは新聞社だけではなく、イーベイやアマゾンなどネット通販大手も、自社のサイトに掲載されるものに対し責任を取っている、とフェレンは指摘した。
責任を認めれば法律の観点では大きな影響が生じ得るが、責任を認めるだけで十分というわけにはいかない。後編では、ザッカーバーグがフェイスブックに採用すべき他の2つの重要要素「礼儀」と「他者を自己より優先すること」について説明したい。
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