テクノロジー

2018.02.22 11:00

サムスンが有機ELテレビに復帰 「QD-OLED」パネルを製造との報道

jejim / shutterstock.com

サムスンは2014年にテレビ向けの大型有機EL(OLED)パネルの製造から撤退し、この分野では韓国のLGが覇権を握る状態が続いていた。

しかし、韓国のメディアのレポートによると、サムスンが再びテレビ向けOLEDパネルの製造を開始したようだ。サムスンは以前から高い評価を獲得していた、量子ドット(Quantum Dot)技術を新たなパネルに採用するという。

韓国の「Etnews」が報じた匿名の関係者の証言によると、サムスンは新たに「QD-OLED」テレビディスプレイを開発中だという。「QD」とは量子ドットを意味し、今回の製品が量子ドットとOLEDの融合による新型ディスプレイであることが分かる。

QD-OLEDディスプレイの特徴は、量子ドット(QD)とOLEDの利点を併せ持つことだ。量子ドットは発色の良さと輝度の高さがメリットだが、ここにOLEDの高画質性と薄さ、反応速度の速さや黒の深みが加わった製品になると、Etnewsは伝えている。

今回のレポートは、サムスンが2つのテクノロジーの融合を実現することにより、他のOLEDテレビメーカーから一歩抜きん出た存在になることを示唆している。

従来のQDディスプレイは外部LEDバックライトを用いていたが、QD-OLEDディスプレイでは青色OLEDを発光材料に用いている。青色OLEDの上に、赤と緑のフィルターを重ねたQDディスプレイを配置することにより、従来のOLEDよりも発色性能の高いディスプレイを実現している。

QD-OLEDディスプレイの利点の一つは、バックライトを使用しないため、QDディスプレイよりも薄くできる点だ。また、視聴可能な角度もQDディスプレイより広くなる。

Etnewsによると、サムスンは既に55インチと65インチのQD-OLEDディスプレイの試作品を完成させたが、発色の面で課題を抱えているため、商用化はまだ先になるという。しかし、これは決して解決不可能な問題ではないという。

Etnewsの記事は匿名のサムスン関係者の次のようなコメントで締めくくられている。「サムスンは、他社が“OLEDテレビ”として販売中の製品を、本物のOLEDテレビであると認めない。なぜなら、彼らのOLED技術はカラーフィルターやホワイトピクセルを用いているからだ。サムスンは量子ドット(QD)技術を採用したQD-OLEDを新たなテクノロジーとして打ち出し、従来の製品の欠陥を補っていく」

今回のEtnewsの記事は、情報元が匿名の関係者となっている点がやや物足りない気もする。しかし、ここに記述された技術的ディテールの細かさから考えて、一定の事実に基づくものであることは確実だ。

筆者は新たな情報が入手でき次第、この記事をアップデートする予定だ。

編集=上田裕資

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