これらの議論の結果を、「Atlas of Emerging Jobs(新しい職の地図帳)」という形で発表しています。この資料の中では、25業界の様々な職種について、労働者の将来を書き記しながら、その職に必要なコンピテンシーや学生がこれらの職業のために勉強できる場所のリストなどを提示しています。
未来に必要なスキルとして、セキュリティなどのIT業界の話はよく日本でも話題になりますが、この「Atlas of Emerging Jobs」が面白いのは、Art and Cultureという領域も挙げていること。アートとサイエンスの融合や相互浸透をはじめ、アートの役割を指摘している点がユニークです。
そして例えば、アートと文化が融合する職業のひとつに“サイエンスアーティスト”をあげ、芸術スキル以外に、セクター間のコミュニケーション、プロジェクトマネジメント、マルチリンガル・マルチ文化対応能力を必要なスキルとして提示しています。
日本では、小学校で英語やダンスがすでに必修となっており、2020年に向けてプログラミングが必修科目となるようですが、向かっている先がどこなのか、それは予測に基づいた仮説であるのか、小手先のアクションに見えてしまうのは、筆者だけでしょうか。
子どもたちがグローバル社会を生き抜くのに必要なスキルを身に付けていくためにも、日本もロシアのように科学技術予測調査を活用して教育を作り上げていく必要があるかもしれません。