テクノロジー

2018.02.12 11:30

政府よりもAIが「結婚離れ」を食い止める?

Photo by iStock

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男性は23.37%、女性は14.06%──これは日本の生涯未婚率だ。生涯未婚率は過去最高に達しており、少子高齢化が進む日本にとっては明るい話ではないだろう。

日本で“結婚離れ”が進んでいるのは、価値観の変化や経済的な要因が主な原因とされているのが、その状況を打開するのは政治や経済ではなく、最新テクノロジーかもしれない。ビッグデータや人工知能(AI)を活用することで、婚活に興味深い成果が生まれているのだ。

例えば、「ビッグデータを活用した婚活」というコピーを掲げるのは、えひめ結婚支援センターだ。同センターが主催する「de愛イベント」と「愛結び」(1対1のお見合い支援)では、年間50万件ずつ蓄積される会員の行動履歴をビッグデータとして活用。まだ出会ったことのない相手同士の嗜好性を行動データから見つけ出し「ビッグデータのおすすめの相手」として紹介するという。

アマゾンの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といったリコメンド機能と似た仕組みといえばわかりやすいかもしれない。自分自身が気付いていなかった「結婚したいと思える相手」が見つかることもあるそうだ。

しかも自分の好みを見つけてくれるだけではない。婚活は買い物とは違って、相手が自分を求めているケースもあるからだ。同センターでは、「自分を好んでくれそうな異性」まで探し出してくれる仕組みもある。ビッグデータを活用するこのシステムの効果は高く、導入開始以降、同センターのお見合いに至る確率は、13%から30%と2倍以上に跳ね上がったという。

一方、会員数600万人を超える恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs(ペアーズ)」はAIを本格的に活用し始めている。趣味や嗜好性などの共通点はもちろん、ユーザー登録情報から喫煙の有無、住居地、ログイン時間から割り出される生活スタイルに至るさまざまな要素をAIが自動的に分析し、共通点のあるユーザーを抽出しているという。

また、前出のえひめ結婚支援センターと同じく、多数のユーザーの嗜好。マッチング情報を蓄積することで、類似する別のユーザーに対して自動的にレコメンドする「協調フィルタリング」も行っている。まさにテクノロジーの力で「運命の相手」を見つけるという、近未来的な取り組みだろう。

ビックデータを活用し社会的課題に貢献

婚活サービス・結婚相談所のトップ企業であるIBJも会員のビッグデータを科学的に分析する婚活総研を設立している。こちらは理想のパートナーを探すという主旨ではないが、同社が保有する婚活会員のビッグデータを分析し、その結果を広く世間に発表することで、少子化や未婚化などの社会的課題に貢献するというのが設立目的だ。実際に、「XX歳までには結婚したい! 婚姻歴はアリ?ナシ?」「合コンデビューする男性注目! 女性にモテる言動は〇〇だった」といった、面白い調査結果を発信している。

またIBJは婚活サービスへにAIを導入すべく、ロボットアプリを提供するヘッドウォータースに出資する発表。具体的なAIの導入方法としては、小型のデスクトップ型ロボット「Sota(ソータ)」をIBJが運営する婚活パーティーの受付や案内に使用するという。今後は、顔認証による受付や席への案内、婚活パーティーの流れの説明、複数人パーティーでの賑やかしなどの役割を担っていくというビジョンだ。

婚活のさまざまシーンで活用されているビッグデータやAI。生涯未婚率の上昇に歯止めが効かない現状があるだけに、今後もその傾向は強まっていくか、注目したい。

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文=呉承鎬

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