「戦術家」ではなく「戦略家」になる3つの方法

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米国では、リーダー志望の人がプレゼンテーション後や人事評価時に「もっと戦略的になるべき」と言われることが多い。これはどういう意味なのだろう? 考え方や行動を、戦術的なものから戦略的なものに変えるにはどうすれば良いのか。

米データ管理・ストレージ企業、ネットアップ(NetApp)のドナ・マンシュ副社長(クラウドオペレーション担当)は「私は元々、究極の戦術家だった」と語る。「リストに挙げたことを一つずつクリアしていく快感に夢中になっていた」。やることリストに書かれたことを全て実現すれば即席の満足感が得られる。しかし、現在よりも上の役割を目指そうと考えている場合は、戦略的に考えて行動しなければならない。

私はリーダーシップに関するオンラインセミナー「Transitioning from Tactician to Strategist(戦術家から戦略家への変革)」で、マンシュに戦略家と戦術家の違いについて聞いた。マンシュが挙げた、即座に実践できる3つの思考法は次の通り。

1. 物事を見る時間枠

キャリア初期で出会った上司について「彼女の人材管理手法は素晴らしかった」と語るマンシュ。彼女はそこで、戦術家と戦略家の違いが時間枠の捉え方にあると学んだ。マンシュによると、戦略家になるためには毎日こう自問する必要がある。

「私はどのような時間枠を持っているのか。私が見据えているのは今日、明日、1年後、それとも5年後? 私は今日や明日のことばかり考えて戦術的な行動を取っているのか、それとも2年後の出来事のために取り組みを進めているのだろうか」

近い将来のことに執着せず長期的な視点を持てば、先見の明を持った戦略的な人になれる。

2. 自分の影響力の範囲

次にマンシュが挙げた考えるべきポイントは、自分の影響力の範囲だ。マンシュは素晴らしいメンターたちから、一段上のリーダー的思考法を学んだ。「何かをやり遂げるために、必ずしも自分で行動する必要はないと気づいた。影響力を持てば、多くのことが達成できる。会社や顧客、従業員に大きな影響を与えるために、チームを『所有』する必要はない」
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翻訳・編集=出田静

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