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東京大学エッジキャピタルの投資メンバー。多様なバックグラウンドを持つ投資プロフェッショナル8人の強力なチームが、強いコミットメントで、投資先の経営・ファイナンス支援を行う。

世界的な潮流であるディープテック・ベンチャー企業への投資をいち早く日本で取り組んできた、東京大学エッジキャピタル(UTEC)。大学発・研究開発型ベンチャーキャピタルの草分け的存在である彼らはいま、新たな挑戦をはじめている。


ここから日本の大学発・研究開発型ベンチャーの未来が生まれる──。そんな熱量がある場だった。なぜなら、イノベーションに挑む、大学発ベンチャー企業36社の代表者たち、投資家、大企業、大学関係者、研究者など大学発ベンチャーエコシステムを支える400人が一堂に会していたからだ。



産業用ロボットに知能を与えて自動化を可能にするコントローラーを開発するMUJIN。電子レンジに使用される「マイクロ波」を応用して化学製品や食料品を効率的に製造するマイクロ波化学。洗濯物を自動で折り畳むロボットなどを開発しパナソニックや大和ハウス工業から出資を受けるセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ。自律制御型の国産産業用ドローン・ソリューションを展開する自律制御システム研究所(ACSL)。アフリカの未電化地域に、新たな電力制御技術を用いて太陽光発電による電力の量り売りサービスを展開するWASSHA(ワッシャ)。ミクロ・マクロの経済データビジネス、株式・為替アプリを展開し、2017年11月にスマートフォンで取引する新しい証券会社の設立を発表したフィナテキスト──に代表されるように、多様な先端技術と事業モデルのベンチャーが集っていた。

その場を主催したのは、産学連携ベンチャーキャピタルの草分け的存在として知られる東京大学エッジキャピタル(UTEC)だ。同社は04年4月の設立以降、総額455億円規模の4つのファンドを組成し、IPO(新規株式公開)9社、M&A(合併・買収)10社という実績を残し、同業界を牽引してきた。

ディープテック企業の“価値”

UTECが2017年11月30日に開催したイベント「UTEC Venture Meetup 2017」。当日は、投資先36社のプレゼンテーションをはじめ、経営共創基盤・冨山和彦代表取締役、東京大学大学院工学系研究科・松尾豊特任准教授を招いたパネルディスカッション、懇親会などが行われ、大手メーカー、大手製薬企業などの事業会社、起業家候補者、若手研究者や学生、ベンチャー企業への参画希望者、金融機関、大学・研究機関、政府、証券取引所、法律事務所などから400人が集まった。



なぜ、大学発・研究開発型ベンチャーがこれから重要なのか。冒頭のあいさつで、UTEC代表取締役社長の郷治友孝は、00年以降に創業し、07年9月以降に上場した233社の現在の時価総額が書かれた分布図と共に次のように説明した。

「過去10年間、日本でIPOしたベンチャー企業233社のデータを見ると、現在の時価総額の中央値は120億円。1000億円を超えるベンチャー企業9社のうち4社が大学発・研究開発型ベンチャー企業です。最も高いのは、我々の投資先でもあった、ペプチドリームの4420億円。次がサイバーダインの1990億円。17年9月に上場したパークシャテクノロジーも1356億円です」

郷治は、こうした証券市場におけるプレゼンスの上昇にこそ、ディープテック企業──人工知能(AI)、ロボティクス、IoT(モノのインターネット)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、エネルギーなどの先端技術を用いた大学発・研究開発型ベンチャー企業がもたらしている社会的意義と価値、その将来の可能性が現れているという。

また、事業会社のオープンイノベーション・ブームも伴い、大学発ベンチャーエコシステムの拡充にもつながった。経済産業省の調査によると、17年の大学発ベンチャー企業は1851社。15年から約3%増加し、その内訳も東京大学発216社、京都大学発97社、筑波大学発76社、大阪大学発76社、九州大学発70社と東大以外にも裾野が広がってきた。

「さらに、ここ3年で、官、大学、民間の産学連携ベンチャーキャピタルが10程度生まれ、同分野へのリスクマネーの供給が増えています。国内外の大企業をはじめとした事業会社によるM&Aや資本・業務提携、共同研究なども数多く出ています。参画するマネジメント人材も多様化、高度化が進みました。まさに“機が熟した”と言えるでしょう」




text by Forbes JAPAN photographs by Toru Hiraiwa

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