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Photo by Tomohiro Ohsumi / Getty Images

2016年10月、ソフトバンク・グループが設立を発表した超巨大ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」。10兆円という、テクノロジーファンドとしては前代未聞の資金規模は、世界中のベンチャーキャピタリスト(VC)に衝撃を与えた。

設立から1年近く経つが、同ファンドは業界にどのような衝撃を与えたのか。Venture Reality Fundのゼネラルパートナーも務めるgumi代表取締役の國光宏尚の見解とは──。


ソフトバンク・ビジョン・ファンドの10兆円規模というのは、前代未聞。スタートアップやVC業界にとって、間違いなく大きなゲームチェンジャーになるはずです。

最近のベンチャー界での大きなトレンドとして、未上場で時価総額が10億ドルを超えるユニコーンや、100億ドルを超えるデカコーンとよばれる超大型スタートアップが誕生してきました。アメリカでこれらが出てきた背景は、大きく分けて2つあります。それは起業家側の問題と、投資家側の問題です。

起業家の目標は、国内から全世界に

まず起業家側からすれば、エクイティによる調達はまず達成したい事業に必要な資金を計算して、ダイリューション比率をVCと交渉して調達するという流れですが、昔と違って今はグローバル化が進んでいます。アメリカのイケてるスタートアップは上場前に勝ちきるのが一般的な戦略ですが、その範囲は以前ならアメリカ全土、最大でも欧米まででした。

それが今では、欧米は世界の全てではありません。中国はもちろん、インドや東南アジア、中南米、アフリカなどあらゆる場所が成長してきているので、取るべき市場が比べものにならないくらい大きくなっているのです。

また、上場企業に比べて未上場企業なら、会社の中だけで意思決定できます。少数の投資家のコンセンサスさえ取れればいいので、アクセルを踏み込みやすいんです。

だから起業家から見れば、目標がグローバルで勝ちきることに変わったことと、早く動きたいから未上場でいたいということで金額が大きくなったのです。2009年の創業からたったの8年で70カ国、450都市で展開しているウーバーは、典型的な例ですね。
   
早く動かなければならないのは、情報化速度の極端な向上に伴って、アイデアの価値がゼロに近づいているからです。今はどんなに素晴らしいアイデアでも、世界中の人が同時に知ることができます。かつては、ソフトバンクの孫さんが提唱していたタイムマシン経営、アメリカで流行ったものを2年後に日本に持ってくるというビジネスモデルも成立していましたが、情報化が進んだ結果としてそんなものはなくなってしまいました。

アイデアの価値がゼロな状態で重要なのは、オペレーションの速さです。オペレーションエリアもグローバル規模に広がるので、必要な資金も巨額になったと起業家側は見ています。

文=國光 宏尚

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