ウッドマンは2016年には年間80万ドル(約9000万円)の給与と30万ドルのボーナスを受け取っていた。GoProはかつてウェアラブルカメラの旗手として脚光を浴び、2014年のIPO直後のウッドマンの資産額は33億ドル(約3700億円)と試算されていた。しかし、その後2年足らずで業績は急降下し、2016年1月時点でウッドマンの資産は9億ドル台まで減少していた。
8日の発表でGoProは世界で250名に及ぶ人員削減もアナウンスし、ドローン事業から撤退する意向も明らかにした。これを受けてGoProの株価は26%の急落となった。同社の株式の時価総額は過去12ヶ月で、5分の1のマイナスとなっている。
アクションカメラ分野で存在感を誇ったGoProには、IPO直後から「一発屋で終わるのでは」との疑念が投げかけられていた。同社はカメラ製品に続いてドローンを市場に投入したが苦戦し、昨年末のホリデーシーズンにはいくつかの主要製品の値引き販売に追い込まれていた。
「マーケティングへの努力もむなしく、新製品の『HERO5 Black』も当初想定した価格での販売は難しいことを認識した」とウッドマンは声明で述べた。値下げに踏み切った昨年12月10日以降の販売台数は伸びているという。GoProはさらに、後継モデルの「HERO6 Black」の価格を1月7日から、当初の499ドルから399ドルに値下げしている。
GoProの昨年第4四半期の売上は3億4000万ドル(約382億円)程度になる見込みだという。この数字はウオールストリートが予測した、4億6000万ドルから4億8000万ドルというラインを大幅に下回るものになる。
GoProはまた、今後の見通しとして、2018年の第2四半期までは黒字を生み出せそうにないとアナウンスした。同社はここ2年、黒字化に向けて努力を行ってきたが、それが実現できたのは大幅なコスト削減を実施した昨年の11月のみだった。
同社は今、さらなるコスト削減に向けて、大規模なリストラとコンシューマー向けドローン事業からの撤退を決定した。同社はかつてハイエンドモデルのドローン「Karma」に望みを託したが、高すぎる価格で市場には受け入れられなかった。同社によるとドローン市場は「熾烈な競争環境」にあり、さらに当局のドローン規制も成長を阻む要因になっているという。
GoProはKarmaの余剰在庫の放出が完了次第、ドローン事業を閉鎖するという。しかし、GoProは今後も市場にコミットし続けることを宣言し、2018年もいくつかのエキサイティングな新製品で顧客らを楽しませたいと述べている。