人と向き合うことで問題を見つけ、それを解決するというミッションやビジョンがあったからこそ生まれた12のイノベーションを紹介しよう。
1. ポラロイドカメラ(1948年)
世界初のインスタントカメラの誕生。きっかけは、発明者でポラロイド社の創始者でもあるエドウィン・ランドが「撮った写真をどうしてすぐに見られないのか」という娘の素朴な問いに向き合ったこと。
2. 海上輸送用コンテナ(1956年)
コンテナを使った海上輸送が始まる。発案者は陸運業者マルコム・マクリーン。陸路のコストと渋滞に直面したマクリーンは、積み荷の入ったコンテナを切り離して船で運ぶアイデアを考案。
3. インスタントラーメン(1958年)
日清食品創業者、安藤百福がチキンラーメンを発明。戦後の闇市で一杯のラーメンを求めて屋台の前に長蛇の列を作る人々を見て、人々が手軽にラーメンを食べられるように、と生み出した。
4. 銀行ATM(1967年)
バークレイズ銀行がATMを導入。発明者のひとりと言われるシェパード・バロンは、「窓口の時間に関係なく現金を引き出すにはどうすればいいのか」という問いを立て、アイデアを持ちかけた。
5. MRIスキャナー(1977年)
初のMRIによる全身スキャンを実施。MRI(磁気共鳴画像)の応用を提唱し、開発に貢献した医学者レイモンド・ダマディアンは、ジュリアード音楽院で8年間ヴァイオリンを学んだという経歴を持つ。
6. ウォークマン(1979年)
ポータブル音楽プレイヤーの誕生。当時ソニーの名誉会長だった井深大の「海外出張時に機内で音楽が聴きたい」という想いで開発させた商品に、当時会長だった盛田昭夫がゴーサインを出した。
7. マイクロファイナンス(1983年)
ムハマド・ユヌスがグラミン銀行を発足。「無償の援助ではなく融資によって貧困からの脱却を目指す」アプローチを打ち出し、担保を持たない人を対象とした画期的な制度を考案。
8. ワールド・ワイド・ウェブ=WWW(1989年)
ティム・バーナーズ=リーが「分散型ハイパーテキストシステム」を提案。研究者同士が、個人のコンピュータに収められた情報をスムーズに閲覧できる仕組みを作る命題のもと、WWWの原型が完成。
9. プリウス(1997年)
トヨタが世界初の量産型のハイブリッドカーとして打ち出した。走行性を保ちながらCO2の削減や省エネルギーを実現する、環境コンシャスで革新的なコンセプトを打ち出す。
10. iPod(2001年)
アップルが初代iPodを発表。プレイリストを全て持ち歩く発想は革新的であり、スティーブ・ジョブズが披露時に使ったフレーズ「1000曲をポケットに」は、開発当時のビジョンそのもの。
11. フェイスブック(2004年)
フェイスブックの前身となる、「Thefacebook」がスタート。ハーバード大の学生だったマーク・ザッカーバーグが、大学側が用意する公式学生名簿よりも自由度の高い名簿を自前で作ったのが始まり。
12. エアビーアンドビー(2008年)
失業し、どうにか家賃を支払う方法はないかと考えたジョー・ゲビアとブライアン・チェスキーが近所で開かれるイベントに着目。開催日に合わせて自宅の部屋を貸すことを思い立つ。