AI議事録の「AISense」が11億円調達、グーグルの初期投資家も参加

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シリコンバレー本拠のAIスタートアップ企業「AISense」が1000万ドル(約11億円)のシリーズA資金調達を、11月20日発表した。今回の調達はホライゾンズベンチャーズが主導し、有名投資家のTim Draperが率いるファンドや、グーグルの初期の投資家として知られるデビッド・チェリトンも加わった。また、ホライゾンのアドバイザーのBart SwansonがAISenseの役員に就任することも明らかになった。

AISense創業者のSam Song Liangはコメントで次のように述べた。「グーグルやフェイスブック、テスラやDeepMind、そしてSiri(2010年にアップルが買収)といった企業の初期投資家らが、同時に我が社のような新興のスタートアップに出資するケースは極めて稀だ」

AISenseの「Ambient Voice Intelligence」と呼ばれるテクノロジーは、人々の会話の全てを蓄積し、検索する機能を持つ。同社は既に「Zoom Video Communications」に文字起こし機能を提供中で、2018年前半にコンシューマー向けプロダクトをリリース予定だ。2016年創業の同社の累計資金調達額は今回で1300万ドルに達した。

「AISenseのAmbient Voice Intelligenceは巨大な可能性を秘めている。このテクノロジーは業務を効率化し、教育分野に革新を与えるものになる」とホライゾンのSwansonは述べた。同社の“会話をデータ化する”技術を用いると、会議の場などでメモを残す必要がなくなるという。AIが議事録を作成し、要約の作成も自動化することが可能だ。

創業者のLiangは「人々の日常の会話を検索可能にし、Eメールやテキストメッセージで簡単にシェアできる世界を実現したい」と述べた。

人間は毎日平均、1万6500ワード(英語の場合)程度の言葉を話している。今日では数年前のEメールでも簡単に探し出すことが可能だが、日々の会話を検索するテクノロジーはまだ普及していない。AISenseはその技術を広範囲に提供することを目指しているという。

Liangは元グーグルのエンジニアで、位置情報関連のプロダクトを担当した後、モバイル端末向けロケーションAPIサービス企業の「Alohar Mobile」を設立。同社をアリババに売却した後、AISenseを創業した。

編集=上田裕資

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