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台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

鴻海精密工業のテリー・ゴウ董事長(Photo by Vipin Kumar / Hindustan Times via Getty Images)

台湾政府はテック産業の競争力で中国に敗れることを懸念し、IoTなどの新産業の育成に向け、産業パーク整備に3億5800万ドル(約400億円)を投資しようとしている。その一方で、古くから電子機器の生産を受託してきた台湾のテックセクターも、復活の兆しを見せている。

アナリストによると、今年のスマートフォン出荷台数の堅調な伸びと、タブレットPC市場の反転が台湾のテック業界の追い風になっているという。

市場調査会社Strategy Analyticsによると、世界の今年第3四半期のスマホ出荷台数は前年同期比5%増の3億9310万台。アジアの新興マーケットの1台目需要と、西欧での高級アンドロイドモデルへの買い替えの動きが貢献した。

また、タブレットPCも4年連続で販売減が続いていたが、台北の調査会社TrendForceによると底打ちの兆しが見られる。今年の出荷台数は2016年比5.4%減の約1億4890台の見込みだ。マイナス幅は縮小し、来年は一層改善が見込めるという。

台湾のサプライヤーや組み立て会社は、長期的な競争力維持に不可欠なソフトウエアでは優位性を持っていないが、スマホやタブレットの新製品が盛り上がる中で、これまで確立してきた能力で、存在感を保つとみられている。

英調査会社Strategy Analyticsのアナリストのニール・モーストンは、業績向上が見込まれる企業として次の名前をあげる。モバイルチップ製造のMediaTek、半導体生産を受託するTSMC、そしてデバイスを組み立てる鴻海精密工業だ。また、ディスプレイ部品メーカーのHimax Displayやメモリ部品開発のNanya Technologyも有望株にあげられる。

「台湾はインドと中国という2つの巨大なマーケットに近く、輸送コストが低いことも強みだ。来年以降も世界のスマホ業界でキープレイヤーの地位を維持できる」とモーストンは述べた。

中国企業の追い上げが懸念材料

台湾のライバルになるのは、日本と韓国のサプライヤーのほか、急速に力をつけている中国だ。台湾のテックセクターは70年の蓄積があるが、新しい技術や販売チャネル、そして広く知られた国際ブランドがないことが弱みだ。

中国のサプライヤーは生産規模とコストで台湾勢をしのぐ可能性がある。ファーウェイやOPPO、シャオミのような国内の有力スマホブランドという顧客も持っている。

調査会社IDCのシーン・カオは「台湾のスマホ関連の受託企業はアップルやソニー、ノキア、ASUSといった企業への依存度を高めていくだろう。一方、電子部品のサプライヤー企業は、iPhone Xを筆頭に新たな技術や機能を搭載する新端末向けの部品提供に活路を見出していく」と述べた。

また調査企業TrendForceのTseng Kou-hanは次のように話す。「台湾の電子パネルサプライヤーの未来には、プラスとマイナスの側面がある。プラス面をあげると、来年のタブレット向けパネルの受注の大部分は、タブレットに注力するアマゾンやファーウェイから舞い込むことになる」

編集=上田裕資

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