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2017.11.10

パニック障害の中国のゲーム富豪、90億円を研究機関に寄付へ

Likoper / shutterstock.com

中国のゲーム会社「盛大網絡(Shanda Interactive Entertainment)」のCEOだった陳天橋(Tianqiao Chen)は、自社が開発したゲームが大ヒットし、10年以上前にビリオネアの仲間入りを果たした。しかし、パニック障害で2012年にストレスが多いCEOを退いた。

44歳の陳と盛大網絡の共同創業者でもある妻のクリッシー・ルオは2日、復旦大学附属華山医院(上海)と共同で、彼が患ったパニック障害を含む脳の病気の研究や治療のための組織を設立すると発表した。

陳はフォーブスの電話インタビューで「多くの人々が脳の疾患に苦しんでいる。アルツハイマーやパーキンソン病を患う高齢者も多い」と述べた。

陳は組織設立にまず800万ドル(約9億円)を拠出、将来的には8000万ドル(約90億円)の寄付を想定している。連携する華山医院の医師は、脳腫瘍、アルツハイマー、パーキンソン病、うつ病など脳が引き起こす疾患の研究と治療にフォーカスする。陳の資産は推定15億5000万ドル(約1760億円)だ。

陳は2016年、カリフォルニア工科大学でも同様の組織の創設に1億1500万ドル(約130億円)を寄付した。彼は既にカリフォルニア工科大学の医師を華山医院の医師に紹介し、両者が協業する基盤をつくろうとしている。

陳はこの数年シンガポールに住んでいたが、最近カリフォルニア工科大学に近いサンフランシスコエリアに居を移した。彼は言う。「中国と米国は将来のサイエンスをリードする2大プレイヤーだ。その中で私は重要な役割を果たせるだろう」。

編集=上田裕資

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