テンセントの株価の上昇は、慈善活動家としても知られるマーの存在感を一層高めるだろう。マーは2016年7月、自身が設立した慈善団体に1億株(当時で23億ドル相当)の持ち株を拠出した。そのうち400万株は、基金の基盤整備のために売却されたが、昨年7月以降のテンセント株の上昇により、残りの9600万株の価値は44億ドル(約4900億円)と、倍近くに増えた。
テンセントのポニー・マーは表舞台に出ることを好まず、アリババのジャック・マーと比べれば海外での知名度は低い。
しかし、マーの資産額はグーグル創業者のラリー・ペイジ(466億ドル)やセルゲイ・ブリン(454億ドル)に迫る勢いで、マイクロソフト元CEOのスティーブ・バルマー(341億ドル)やデル創業者のマイケル・デル(236億ドル)を上回っている。
テンセントで慈善活動に積極的なのはマーだけではない。もう一人の創業者、チェン・イーダン(陳一丹)の今年の寄付額は3億4800万ドル(約390億円)で、フォーブスがまとめた中国の慈善家ランキングでトップとなった。
この他、中国人の富豪の慈善活動としては、実業家のパン・シーイー(潘石屹)夫妻が海外のトップ大学で学ぶ中国人を支援するため、1億ドルの寄付を宣言している。
中国の富裕層の資産が増えるにつれ、慈善活動の世界で大きな役割を担う人物が今後も出て来るだろう。