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英会話アプリ「A5プロ」では、ロールプレイングで英語を話してビジネスフレーズを習得できる。ユーザーは、AI(人工知能)を開発する日本のテクノロジー企業の新卒社員「タカシ」になって同僚と会話。シチュエーションに合った正しいフレーズを話して穴埋めしていくゲーム(左)では、正答とフィードバックがリアルタイムで表示される。また、ボキャブラリーも習得できる(右)。

人前で話すのは恥ずかしく、練習する術がない─。多くの日本人にとって「英会話」は悩みのタネだ。そこへ、あるアイルランド人起業家が解決に乗り出した。

2010年に楽天やファーストリテイリングが英語の“社内公用語化”をぶち上げた時、「実験で終わるだろう」という懐疑的な声が出たものだ。ところが、本田技研工業や資生堂も社内文書に英語を使うことを決めるなど、徐々に各社が社内のグローバル化を進めようとしている。

社員の英語力を高めたいというニーズに応えて、多くの研修プログラムや教材が乱立する中、アイルランド発のスタートアップが「手軽に社員の英会話力を高めるアプリ」を企業に提供している。

開発したのは、音声処理が専門のソフトウェア開発者、デア・オニール率いる「A5テクノロジー」。クラウドベースの会話認識システムを使った「A5(英語)PRO」では、ミーティングや電話、クレーム対応といった実際のビジネスシーンの中で使われる英会話をゲーム感覚で学ぶことが可能だ。

TOEIC550~750レベルの英語中級者を対象にした月額定額制のB2Bサービスで、eラーニング大手「ネットラーニング」と提携しているほか、東京大学やIT大手が試験的に導入しているという。

英会話関連のサービスは少なくない。それでもオニールは、「A5プロなら、より効率的に英語を学べる」と自信を見せる。もちろん、スマートフォンを使って手軽に学べる点もあるが、日本人が苦手な「会話力」に特化しているからでもある。

「日本人は、正確ではない英語を話すことに抵抗を感じています。なので、自分だけでこっそりと英語を勉強できるためにも会話認識機能を生かそうと考えたのです」

富士ソフトなどで働いた経験を持つオニールは、もともと日本人が持つ英会話への苦手意識を理解していた。加えて、試作品のユーザーに身に付けたい英語のスキルに関するアンケートを取ったところ、回答者の多くが「会話力」を最も重視していることが判明。そこで、リアルタイムで会話を認識できるソフトウェアに、利用者がモチベーションを維持できるようにゲームの要素を加えたアプリを開発したのだ。

A5プロはゲームエンジンのUnity(ユニティ)で作られているが、それはオニールが将来的に、VR(仮想現実)技術で、国内にいながら“英語留学”できるサービスの開発も視野に入れているためだという。

「仮想空間と我々のリアルタイム会話認識システムを組み合わせれば、きっと外国語の勉強がもっと楽しくなりますよ」



デア・オニール◎
インテルや富士ソフトを経て、2015年に母国アイルランドで音声認識ソフトウェア開発企業「A5テクノロジー」を創業。アイルランドの政府系ファンド「エンタープライズ・アイルランド」やグーグルのダブリン支局の協力を得て、自身の日本在住経験をもとに、英会話に特化した企業研修向けアプリ「A5プロ」を開発した。将来的には、ARやVRへの対応も考えている。

文=フォーブスジャパン編集部

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