ついに「色気」を放ち出した日本のコンセプトカー

HONDA、EVスポーツ・コンセプト



トヨタ、コンセプトi

トヨタでは、ハイブリッドのGR HVスポーツ・コンセプトがブースの主役になるだろうと思っていたけど、「愛」を伝えるコンセプトが目を奪った。ステージ中央には、 AI搭載でハサミのようなガルウィング・ドアを持つ「コンセプトi」が完全に主役だった。

4人乗りのEV「コンセプトi」には、ドライバーの気持ちを読み取るディープラーニング技術が備わっている。そう、あなたの呼吸の速さ、話し方のパターンと眼の動きを読んだソフトは、あなたが運転することにどれぐらい集中しているか、道路状況をどれくらい把握しているかを教え、またあなたが何をしたいかを読み取ってくれる。

「i」という文字は英語圏の人には、インテリジェントを意味するが、日本人は「i」と言うとうれしいことに「愛」という文字も連想する。だから、僕は外国のプレスに伝える際に、この車を「ラブカー」と名付けた。あなたのことが好きで、理解してくれるクルマが実現すれば、それこそ「究極のクルマとは愛だ」という、壮大な構想だ。

さて、レクサスもセンターステージにはスタイリッシュなLS+コンセプトを配した。同社の有名なスピンドルグリルのことを最初は「好きな人は好きだろう」と思っていたけれど、ついにLC500から形を整えて来てると今では僕も考えている。LS+のスピンドル・グリルもさらに進化し、自動開閉する大型グリルシャッターが、冷却と空力性能を実現する。これらのものづくりは素晴らしい。


レクサス、LS+

しかも、このおしゃれな4ドアのセダンは、交通事故の犠牲者がゼロの世界を目指している。高速道路の入口から出口まで自動運転で走行し、クルマの流れへの合流や分岐ができて、レーン変更やレーンキープ、前のクルマとの車間距離を保つ機能などが搭載される。AIによる高性能な自動運転を2020年までに実用化することを目指している。

どのカーメーカーも、EVと自動運転の技術にスポットライトを当てているとは言え、「モーターの先へ」をテーマとする今回のモーターショーを息づかせるのは、セクシーな曲線を用いたデザインだ。それは日本の自動車業界の未来をも輝かせるだろう。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事