ここでは今年6月に公開された最新リポートを中心に、特に重要な点をまとめてみた。
1. モバイル化の加速
世界のインターネット利用人口は2016年に前年比10%の伸びだった。とりわけモバイル経由のネット利用が進み、2009年と比較するとモバイルからのネットへのアクセスは10倍に伸びた。2016年のリポートでミーカーは平均的なスマホユーザーは30のアプリをインストールしており、一日に12のアプリを使用すると述べた。また、世界のスマホユーザーのアプリ滞在時間の80%が3つの人気アプリに注がれているという。その3つとはフェイスブック、ワッツアップ、そしてクロームだ。
2. 広告費の85%はグーグルとフェイスブックに
インターネットに注がれる広告費は増加が続いている。この分野で覇権を握るのはグーグルとフェイスブックだ。ミーカーは今年のリポートで、年間の広告費の増加分の85%がこの2社に支払われていると述べている。フェイスブックにユーザーが投稿したコンテンツは、広告主のコンテンツよりもエンゲージメントが6.9倍高い。
しかし、広告分野ではユーザーのターゲティング技術が発展する一方で、2015年から2016年にかけて広告ブロッカーを利用するユーザーはモバイルで2倍に、デスクトップでは15%の増加となった。広告分野ではいかにユーザー体験を損なわずに広告を出していくかが重要な課題になりつつある。
3. 成長続くインド市場
インドでのネット利用人口は2015年から2016年にかけて28%の増加だった。インドはアンドロイド端末の利用時間で、中国に次いで2位で、2016年のグーグルプレイからのアプリのダウンロード件数は米国を突破した。しかし、インドでのインターネットの成長を阻むのはネットの接続コストやスマホの価格が、国民の平均賃金に対してまだ高いことだ。さらに、地域ごとに様々な言語が使われていることが、インド全土を対象にした広告キャンペーンの実施を困難にしている。
4. 中国ではライブコマースが急成長
中国人のEコマース支出額は前年度から24%増加し、その71%はモバイルから行われている。ライブストリーミングを通じたEコマースの発展も中国の特徴で、1時間あたりの売上はテレビショッピングの5倍に達している。
5. ネット広告費はテレビを突破する
2017年には世界のインターネット広告費はテレビに注がれる金額を突破すると予想される。