5. 時間とエネルギーを優先的に割けるか
進学を決断したら全力で取り組みたいはずだ。家族や恋人、仕事の状況(両立する場合)はどうだろう? 共働きの家庭で配偶者がこれから大きな職務に就く予定があれば、今は見送るべきかもしれない。また、大学院の学費支援制度が会社にあっても、現在大規模な事業再編が進んでいる場合は、仕事に軸足を置く方が賢明かもしれない。
6. 教育課程は適切か
どの程度の教育(修士号? あるいは博士号?)が必要で、どの教育課程が自分の目的に合っているのか? コーチング業を営む私の同僚の中には、社会事業・心理学・人事マネジメント・組織開発など、さまざまな課程を選んだ人がいるが、全員がコーチング分野で活躍している。
7. 学位以外に必要な要件はあるか
教育に携わるには修士号だけでは不十分かもしれないし、臨床カウンセラーになるには最低カウンセリング時間の要件を満たす必要がある。特定のキャリアを目指して大学院進学を考えているのであれば、学歴以外の全要件を満たせるようにしよう。
8. 他に選択肢はあるか
大学院に費やす時間・費用・機会費用を考慮すると、その他の選択肢も考える必要がある。資格だけでは不十分だろうか? 進学の代わりに職務経験を積む方が、より競争力が付くのではないか?
知識を得るのが目的なら、大規模公開オンライン講座(MOCC)や自己学習で補う、仲間を得るためであれば、職能団体に参加したり社会奉仕を増やしたりできるかもしれない。
9. 入学は現実的に可能か
大学院進学の意思が固まっていても、入学して第1希望の教育課程に進むことは可能だろうか? 次年度の入学プロセスのスケジュールや、財政支援が必要であれば奨学金の受給資格・応募締め切り時期も考慮しよう。
10. 卒業後の進路はどうするか
大学院での学びや挑戦を通して、あなたは確実に変化を遂げ、新たなアイデアが芽生えるだろう。しかし、卒業後に何をするかイメージしておくことも大切だ。
現在の会社・業界・キャリアに復帰するのか? 大学院進学を機にキャリアを変更する場合は、就活に学位をどう活かすのか?
大学院進学の決断は多面的だ。キャリアだけでなく個人的欲求に基づくものかもしれないし、金銭面以外にも得られるものはある。ほぼ全てのキャリア目標には機会費用や追加要件があり、学校教育が全てではない。
大学院に行くかどうかの決断は慎重に下すべきだ。まずは、ここに挙げた10の質問に答えることから始めよう。