米公共ラジオのナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)と米調査会社エジソン・リサーチの最近の調査によると、スマートスピーカーの主な使用目的は音楽鑑賞、質問、ニュースのチェックだった。調査対象の半分近くが生活に欠かせないと答え、3分の2はスマートスピーカーのない生活には戻りたくないと回答している。
スピーカーの使用感について、先日ある友人から話を聞いた。彼女の1歳になる一人娘は、アマゾンエコーに搭載されている人工知能(AI)アシスタント「アレクサ」による本の読み聞かせが気に入っているとのことだったが、同調査によるとこれは彼女に限ったことではない。
回答者の7人に1人が子どもへの読み聞かせにスマートスピーカーを使用し、3人に1人がグーグルと同じアルファベット子会社のネスト(Nest)が製造したスマートホームコントローラーなどの他機器をスピーカー経由で操作していた。さらに、ユーザーのほぼ半数がニュースを聞くのにスピーカーを使用していた。
アレクサで提供されるニュースは当初からNPRに初期設定されてきた。同ラジオ局の商業部門を担う子会社ナショナル・パブリック・メディア(NPM)のジーナ・ガルッボ最高経営責任者(CEO)は「アマゾンとの対話により、NPRが国内の何百万という家庭に配信されるに至った」と話している。
NPMの最高業務執行責任者(COO)であるブライアン・モフェットは「NPRが毎時配信するニュース概要は、エコーのフラッシュ・ブリーフィング(主要ニュースお知らせ)機能の中でおそらく最も人気だ。『アレクサ、ニュースを聞かせて』と言ってNPRのニュース概要を聞く人が、毎週何十万人と存在する」と述べた。
スマートスピーカーとの統合とNPRモバイルアプリの配信により、NPRのリスナーは意外なところで増えている。NPR最高マーケティング責任者(CMO)のメグ・ゴールズウェイトによると、特にミレニアル世代(1980年以後に生まれた若年層)とアフリカ系・ヒスパニック系のリスナーが増えているという。
「ミレニアル世代はソーシャルメディアと共に育った世代なので、信頼できる情報源のありがたみを良く理解しているし、NPRのシンプルで明確なスタイルに魅力を感じてくれていると思う。NPRには過激な扇動や常軌を逸した表現がないことも要因だと思う」
ゴールズウェイトはまた、ニュースマガジン(特集や解説を含めたニュース番組)や新たなポッドキャストなどのコンテンツの継続的な制作が、新規リスナーの獲得につながっているとの見解を示している。