フロントはまた、4日間129~329ドルの都度払いで商品の貸し出しも行っている。さらに、ジュエリーを選ぶのに悩む会員のためにコンシェルジュ・サービスを提供しているほか、カスタマイズの注文にも応じる。ニューヨークには会員向けラウンジも開設しており、実際に手に取って選ぶこともできる。
充実した商品の取り揃えを実現するため、フロントはファッション誌「W Magzine(W マガジン)」のアクセサリー・ジュエリー部門のディレクターだったブルック・マグナギをクリエイティブ・ディレクターとして迎え、サイト上での商品のキュレーションなどを任せている。
また、カルティエやブルガリ、ヴァン クリーフ&アーペル、ティファニーなどの有名ブランドのほか、ミミ・ソーやノア・ファレス、デボラ・パガーニ、カーラ・アモリンをはじめとする人気デザイナーとも独占パートナーシップ契約を結んでいる。
モノではなくサービスを提供
フロントにとってこれらは全て、インターネット販売のプロセスを一層便利なものにするためのサービスだ。製品ではなくサービスを提供していることを、消費者によりよく理解してもらいたいと考えている。
「こうしたコンセプトは新しいものではない」と話すキニーは、「ソフトウェアが好例だ。いまやソフトウェアは購入するモノではない。契約して利用するものだ」と指摘する。
「多くの人たちにとっては車も同様だ。ウーバーやジップカーなどのカーシェアリングや、リースを利用している。コンピューターのサーバーも買わない人が増えている。アマゾンやグーグル、マイクロソフト(のクラウドサービス)を利用している。これまで私たちが購入してきたモノが、現在では利用するサービスに姿を変えている」