春夏の粋な羽織りもの 「スエードジャケット」の魅力

photograph by Masahiro Okamura, styling by Hiroshi Morioka

持ち物にはその人の品格が出る。良い物には理由があるのだー。

ファッションディレクターの森岡 弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る連載。第4回は、春夏のレザージャケットをピックアップ。



小暮昌弘(以下、小暮):今回はイタリアの巨匠ジョルジオ アルマーニ。森岡さんが選ばれたアイテムは春夏もののレザージャケットですね。

森岡 弘(以下、森岡):日本ですとレザーのジャケットは、秋冬ものというイメージがありますが、欧米のブランドでは春夏のコレクションでも必ず発表しています。ジョルジオ アルマーニも毎シーズンのようにレザージャケットをつくっていて、僕も何着か持っているのですが、とても重宝しています。

小暮:革のジャケットやブルゾンのなかでもスエードは、インポートブランドでは春夏のシーズンにリリースされることが多いですね。彼らは、リゾートなどに出かけるときでも、カーディガン代わりに着用することも多いですからね。

森岡:そうです。欧米のライフスタイル的にもハマるんです。それにスエードジャケットは、Tシャツの上に羽織ってもシックに決まります。ジョルジオ アルマーニの場合、デザイン、素材ともにとても凝っているものが多いのも特徴です。しかもこれは日本限定でつくられた製品です。

小暮:素材はラムスエードですね。表面にパンチング加工が施されています。でも袖口などにはパンチング加工がわざと施されてない。これは新しい試みでしょう。

森岡:袖口などは傷みを考えてそうしていると聞きました。初夏もののこうしたレザージャケットは1枚仕立てが多いのですが、これは薄い裏地が付いているので、滑りがあって着やすくなります。

小暮:そうした配慮も日本人にはうれしいですね。日本限定ですが、デザインなどはどんな違いがあるのですか?

森岡:元のデザインは3ボタンだったらしいのですが、それだとボタンの位置が高くなって胸元が詰まって見えるので、2ボタンに変えてあります。日本人は欧米人のように胸板が厚くないですからね、このほうが日本人には似合う。Vゾーンが程よい広さになって、コーディネイトもしやすい。日本限定ならではですね。
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文 = 小暮昌弘 スタイリング=森岡 弘 編集=高城昭夫 写真=Masahiro Okamura

この記事は 「Forbes JAPAN No.36 2017年7月号(2017/05/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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