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(左から)プラットフォームとなったCAMPFIRE代表取締役社長家入一真、インターステラテクノロジズ代表取締役社長稲川貴大(Photograph bu Kosuke Mae)

自分が心惹かれるプロジェクトに投資して、「自己満足」を満たす。クラウドフェンディングや寄付システムの普及により、そんな「新しいお金の使い方」が増えている。

「打ち上げボタンを押す権利」をリターンに掲げるロケットプロジェクトもそのひとつだ。1000万円出す人、5万円コースを選んだ人……当事者たちに話を聞いた。



「打ち上げボタンを押す権利なら、1000万円出してくれる人がいるかも。みんなで飲みながら話していて、勢いで決めました」

北海道広尾郡大樹町を拠点に宇宙観測ロケット「モモ」の打ち上げを目指すインターステラテクノロジズ。CEOの稲川貴大は、打ち上げ費用支援プロジェクトのリターンを決めた経緯を振り返る。

こだわったのは参加型リターンだ。稲川が宇宙開発とかかわるようになったのは大学生のころ。2013年、同社のルーツである「なつのロケット団」のボランティアに参加して、地上で行われた燃焼実験のボタンを押した。エンジンが点火した瞬間、夢心地になった。他の開発メンバーの多くも同じような経験を経てロケットのとりこになっている。参加型のリターンを前面に出すことに異論は出なかった。

打ち上げボタンを押す権利はなかばノリで決めたリターンだったが、そのノリに応えた男がいた。建設・不動産業のニーズ・コーポレーションを経営する芹澤豊宏だ。じつは芹澤はインターステラテクノロジズに出資する株主でもある。1000万円は、自分が経営する会社から出した。

「こうしてメディアに取り上げてもらえるので、会社や僕個人の宣伝になる。支援金も、回りまわって自分の懐に返ってくるようなもの。ノリで応募したことはたしかですが、損をするつもりはない」(芹澤)

株主だから支援した人もいれば、株主になるのが嫌で支援した人もいる。5万円コースを選んだ山川壮央は、理由を次語る。

「一般的に企業を応援する方法は、株を買って出資するか、商品を買って貢献するか。でも株主になると総会参加など面倒なことが増える。ロケットは高すぎて、買って応援できない。クラウドファンディングは、ちょっと応援できることがちょうどいい」

考え方は対照的だが、二人に共通しているのはプロジェクトを楽しんでいること。

「ボタンを押す練習をいまからやっている」(芹澤)、「実験の詳細なレポートが届くので、自分も参加している気分になる」(山川)と、まるで自身のプロジェクトのようだ。

プラットフォームを提供したCAMPFIRE社長の家入一真は、「お金を出すことで、“共感”から“共犯”になる」と持論を展開する。モモの打ち上げは17年中を予定。支援者たちが歴史的な打ち上げの共犯者になる日はもうすぐだ。


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文=村上 敬

 

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