新しいチームで忠誠心を育てる方法

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最近は、忠誠心をあまり目にしなくなった。人々は新しい会社に忠誠心を持ちたくないわけではない。問題は、非正規雇用の多い労働市場で流動性が増し、事業の成長に貢献しようとする情熱が持てないことにある。

こうした状況により、雇用主は試用ベースで人を雇うことができ、従業員側にも別の機会を追求する柔軟性が生まれるが、他方でこれは企業が停滞する大きな理由ともなる。

忠誠心を育てるために、根本的に大切なことが2つある。1つ目は、人々があなたの事業やその目標だけでなく、個人としてのあなたにも価値を見出せること。2つ目は、人々が事業はあなたのものであると同じぐらい、自分のものでもあると感じられること。スタートアップ企業が失敗する主な理由の一つは、従業員が公平に扱われないことだ。

忠実な組織を作るためには、問題を単なる製品開発としてではなく、人材開発として扱う必要がある。一旦それができるようになれば、長続きし、成功できるチームを作れるようになるだろう。

まずは正しい人選から

あなたの事業は自分の子どものようなものだ。結局のところ、あなたほどに事業を気にかけられる人はいない。しかし、その成長を見たいと思ってくれる人材を探すことが大切だ。

初期の従業員は、事業の生命線を決定づける上で最も重要だ。朝早くから夜遅くまで共に働く仲間となるため、時間を捧げて仕事に打ち込んでくれる意思があるかを確認したい。忠誠心は、ブランドや世間のイメージよりも大事な社風を形作るための材料となる。チームメンバーが社風作りにどう貢献していくかを見極めよう。

自分のリーダーシップスタイルを知る

チームのリーダーであるということは、物事が上手く行く時も行かない時も、周囲からの注目を一番に集めるということだ。人間誰しも時には非合理的、無責任な行動を取ってしまうことはあるが、自分の振る舞いや反応によって、自分自身だけでなく会社も判断されることになると認識しておくのが重要だ。

この良い例が、望ましくない状況に対する反応だ。独裁者のごとく怒りや苛立ちを示して対応するリーダーは従業員に恐怖を感じさせる一方で、悲しそうな反応を見せるリーダーは従業員から共感や忠誠心を引き出せるという研究結果が出ている。

これは、周囲が受容と価値を感じることができるからだ。自分たちの貢献や感情も意味のあることだと思える。大切なのは、あなたは一人ではなくチームで働いているということ。チームを統率すると同じように、自分のことも率いていかなくてはならない。
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編集=遠藤宗生

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