フェイスブックの広告はユーザーごとのカスタマイズが進んでおり、検索連動型広告や商品リスト広告(PLA)よりも価値が高いとされている。売上の50%近くが北米からだが、フェイスブックはこの市場でスナップチャットなどのライバルとの競争にさらされている。
しかし、フェイスブックには巨大なユーザーベースとデータがあるため、依然として有利であるのは確かだ。スナップチャットは今後、フェイスブックに脅威を与える対象になりうるのか?
ARPUはスナップチャットの約9倍
両社が公表している情報に基づいて試算したところ、フェイスブックのユーザー1人当たりの平均売上(ARPU)は2016年に53ドルだったのに対し、スナップチャットはわずか6ドルだった。
2023年までにスナップのARPUは大幅に伸びて65ドル(約7300円)にまで高まるとの予測もあるが、フェイスブックのARPUはその頃には110ドル(約1万2300円)に達していると見られる。フェイスブックの優位性は今後も変わらないだろう。
インスタの存在もフェイスブックの強み
フェイスブックが今後もスナップに対して大きな優位性を保てる理由は以下の通りだ。
1. フェイスブックはデスクトップやスマホ、タブレットなど様々なデバイスで利用できる。インスタグラムやワッツアップなども傘下に収め、ユーザーのブラウジングや利用動向に合わせ、適切な広告を表示できるアプリのエコシステムを持っている。一方でスナップチャットはスタンドアローンのアプリであり、ユーザーベースの収益化に着手したばかりだ。ユーザーデータの豊富さに関してもフェイスブックには負けている。
2. フェイスブックはスナップのストーリーや独自の期限付きメッセージなどの写真共有機能を模倣することに成功した。これは同社に大きなプラスとなっている。例えばインスタグラムのストーリーは、導入後1年未満でデイリーアクティブユーザー数がおよそ2億人となり、本家のスナップチャットを上回った。
3. フェイスブックには傘下のアプリに新機能を継続的に追加する資金力とユーザーリーチ力があり、これによってユーザーをより一層取り込み、ターゲティング広告の精度を上げることもできる。その結果ARPUの伸び率も上がる。
これらの理由からフェイスブックの優位性は保たれ、スナップをはじめとするライバルよりも高いARPUを維持し続けると見られる。