私の飼い犬3匹が教えてくれた、ソーシャルメディアの使い方

左からデックス、ダコタ、ハドリー (Photo by Bruce Kasanoff)

私が飼っている3匹の犬は、文字を入力することはできない。私が寝ている間にこっそりインターネットを使っているということも、私が知る限りはない。だが3匹は、私たちがそれに見習えば、ソーシャルメディアで大変役立つようなスキルを身に付けている。

私が飼っているのは、大型のレスキュー犬3匹。デックスは黒毛の14歳で、3匹の中で一番賢い。ダコタは焦げ茶と白の毛色の12歳で、いつも暇さえあれば昼寝をしている。7歳のハドリーは、あらゆる点で変わり者だ。オーストラリアンシェパードとドーベルマンのミックスで、老犬2匹よりも動きが遅く、あまり聞き分けが良くないが、思いやりと愛情がある。(思いやりという部分はうそだが、そう言っておけば聞こえがよいでしょう?)

私の犬がマスターしていて、おそらくあなたがまだマスターしていない事──それは「明確さ」と「簡潔さ」だ。

<明確さ>

私が「外に行きたい?」と聞くと、犬たちは駆け寄ってくるか、無視するかのどちらかだ。「行きたい気もするけれど、行きたくない気もする」といった返事はない。犬たちは自分がしたい事をよく分かっており、明らかな形で示す。「おやつが欲しい」「食事の時間じゃないけどごはんが欲しい」

私が社会人に「あなたが欲しいものは?」と尋ねると、大半は口ごもるか、ぽかんと私を見つめてしまう。うわべだけの答えをする人や、自分が5番目か6番目に欲しいものを答える人もいる。

同様に、リンクトインやツイッターの使用方法を見てみると、大半の人は自分のゴールが何であるのか、どのように人の力になれるのかがはっきり示せていない。特に後者は重要だ。なぜなら、顧客や会社はあなたに力になってもらいたいのでお金を払うのであり、あなたがどう力になれるのかが不明確だと、あなたの市場価格は下がる。

<簡潔さ>

「お手」と言われたデックスは、手を差し出す。所要時間は2秒。

「お手」と言われたダコタは、手を差し出す。所要時間は同じく2秒。

「お手」と言われたハドリーは、後ろを振り返り、そっぽを向くと、床を見つめて横になる。

ハドリーには他の犬より5倍の時間がかかる上に、結局は言うことをきいてくれない。これは、多くの人がオンラインや対面での交流で行っていることと同じだ。人の話を聞かない。注意を払わない。相手の時間を無駄にし、必要以上の手間を強いる。そんな人は結果として、相手から避けられたり、ぞんざいな扱いを受けたりする。
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編集=遠藤宗生

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