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2017.05.20 10:00

ビールと税金にまつわる15のトリビア


8. 米国ビール協会(Beer Institute)によると、4000社以上の醸造者および輸入業者と6690社の販売者を抱えるビール業界は、直接的および間接的に、米国内で175万人以上の雇用を創出し、79億ドル(約9000億円)近い賃金・手当を生み出している。

9. 1991年、当時のジョージ・H・W・ブッシュ米大統領は、「新たな税制は導入しない」との公約にもかかわらず、毛皮、ヨット、プライベートジェット、宝石、高級車などのぜいたく品に対する増税法案に署名した。同法案により、ビールの酒税もほぼ倍増した。そのちょうど2年後、ブッシュは同税制の撤廃を求め、同法で課税されていた物品が対象から外される中、ビールは課税対象として残され、今日に至っている。

10. 全米でビールの価格が最も高いのは、テネシー州であるとされている。ビールの州酒税は1ガロンあたり1.29ドルで、米国内で最も高い。では最も安い州はといえば、酒税が1ガロンあたり0.02ドルのワイオミング州だ。

11. アルコール飲料の中でビールが最も人気の州はネバダ州で、同州の酒税は1ガロンあたり0.16ドル。ビールが最も人気のない州は、全米でも酒税が高く設定されている州の一つ、ユタ州だ。

12. 米国で最も歴史があり、現存するビール醸造会社は「D・G・イングリング&サン」だ。オーナーはフォーブスの長者番付にもランクインしているリチャード・イングリング Jr.。ペンシルバニア州ポッツビルに本社を置く同社は、米国の5大ビールカンパニーのひとつで、2015年の年間売上高は約5億5000万ドル(約625億円)に達する。

2012年、同社はペンシルバニア州から課された税額に対して大きな不満を示し、「ペンシルバニアは良い所だが、ビジネスにはまったく向いていない。適切な税制優遇制度と公正な課税が必要だ。そして何よりも雇用の確保が重要だ」として、フロリダにも拠点を新設。ペンシルバニアに本社を置くことにこだわらない姿勢を見せている。

13. インフォグループによる「住民1人あたりに対しビール関連ビジネス(販売店や醸造所など)の多い都市10」調査によると、オレゴン州ベンドが住民1人あたり1.54件で首位となった。オレゴン州からはベンドのほかもう1都市ランク入りしており、ビール好きに最も適した州といえる。これは、同州がビールの価格を上げる”消費税”を課していないことが影響していると思われる。

14. 米国ビール醸造者協会(Brewers Association)の最新データによると、クラフトビールが、255億ドル(約2兆9000億円)規模の全米ビール市場の22%を占めるという。クラフトビールの醸造所は小規模であるが、これは納税の面では有利に働く。年間200万バレルに満たない醸造所であれば酒税額が軽減されるからだ。

15. ビールグラスが空になっている状況を嫌う恐怖症を「シーノシリカフォビア(Cenosillicaphobia)」という。

編集=Smokva Tokyo

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