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2017.05.11 08:00

「エンターテイメント」で沖縄の問題は解決できるか?

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沖縄では2009年から、沖縄国際映画祭が開催されている。2014年に「島ぜんぶでおーきな祭」と改称したその祭典は今年9回目を迎え、4月20日から23日、本島・離島をあわせた24会場で数多くのイベントが行われた。

そのうちの一つ、教育・人材育成関連のシンポジウムで、地元高校生が「沖縄の良いところと悪いところを教えてください」という質問をした。司会のガレッジセールが「実家に住んでノンビリしているのが良いところであり悪いところ」と答え、満席の会場はみんな笑っていた。

沖縄人がノンビリしているイメージは一般的だけど、自分の友人は、みんな東京で知り合った沖縄人だからか、それほどノンビリはしていない。人それぞれなんだろう。ただ、その質問を聞いて、自分は「良いところや悪いところなんて気にする必要はないのでは」と思った。

というのも、前回フェイクニュースについて書いたイベント「サウス・バイ・サウスウェスト、SXSW」で、好きなことをやっている人ばかりを見て影響されたのかもしれない。会場となったテキサスの田舎街には刺青の兄さん・姉さんが溢れ、好きな音楽を演奏していた。地元のバンドなんて、グローバルで売れようとも思ってもないだろう。

それでも、そのSXSWという音楽イベントには世界中から人が集まってくる。コンテンツを作る側は自分が良いと思ったことをそのまま表現しビジネスサイドが営業する。「祭り」もその仕組みの一つだ。

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島ぜんぶでおーきな祭にて(筆者撮影)

シンポジウムで「沖縄には引きこもりの子供が300人いる」と知った。その割合が多いか少ないか一瞬わからなかったが、とりあえず、昔より多くなったというニュアンスだった。たしかに、散歩していても道端に座り込んでいる子どもたちを見かけたし、たまたま乗ったタクシーのオジサンの息子は、父親の年金で食いつないでいるそうだ。

未来に悲観してやる気が出ないのだろうか。もちろん、そんな「年頃な」時期もあるけれど、いつまでも「実家」にいられるのも原因の一つなのかもしれない。

ケベック州の取り組み

では、それをなんとか解決できないか。参考になると思うのが、カナダのケベック州の取り組みである。ケベックにはモントリオール映画祭があり、またゲーム産業の集積地として有名である。ケベック・シティーという世界遺産があり、シルク・ドゥ・ソレイユやモーメント・ファクトリーというエンターテイメント集団も生まれている。

ケベック州は、ゲームや映画といったエンターテイメント産業に集中的に投資・税制優遇策を実施している。コンテンツ制作の人件費の20%(フランス語版には29%)を課税控除したり、500人以上の雇用を生み出した企業に人件費の24%(または、最高2万ドルまで)の控除を適用する。
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文=志村一隆

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