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2017.05.11 08:00

「エンターテイメント」で沖縄の問題は解決できるか?

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2016年度の州政府支出7.9兆円のうち産業・関連予算は13%(1.03兆円)。それ以外に、年間240億円、5年で1500億円をコンテンツ分野などに戦略投資する。法人税は、売上50万ドル(3885万円)以上なら26.9%(ケベック州11.9%、カナダ15.0%)、50万ドル未満なら19%である。
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この他、大学生をインターンに雇う企業に補助金を出したり、学校中退を防ぐ対策費として3億ドル、市民団体と学校提携、産学連携サポートなどに2億ドルを支出する。こうした取り組みで州内に11ある大学と企業が連携を図りやすくなる。教育・文化関連予算は、全体の22%を占める。

これら施策の結果、2016年の州実質GDPは1.5%増加し、海外輸出は3.6%増加した。平均州民所得は560万円。州政府としても黒字財政を達成している。なんだか数字を並べて読みにくかったかもしれないが、ケベック州はエンターテイメントで産業振興を図っている。

沖縄の可能性
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話を沖縄に戻そう。沖縄県では、書籍・雑誌購入額が極端に低い。産業に占める建設業の割合は大きい。教育費は全国平均並みだが、大学進学率は低い。だが、大学は9つあり、英語で授業する科学技術大学院もある。それに「島ぜーんぶでおーきな祭」もある。

ケベック州はフランス語圏でかつては経済的には遅れていたと言われるが、政権交代の起きた1960年代に「静かなる革命」と呼ばれるの教育・産業改革を実施。いまではデジタル産業の集積地になった。フランス語が主要言語なのはハンデだったろう。それでもここまで成長した。沖縄も同じことができるのではないか。

冒頭のシンポジウムのタイトルは、「沖縄の未来をつなぐエンターテインメント産業と人材の育成について」だった。エンターテイメントは未来の想像力から生まれる。いまから30年後、沖縄でエンターテイメント産業が花開いているだろうか。

文=志村一隆

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