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Where tech meets art & design.

Dots共同創業者 ポール・マーフィー(右) (Photo by Bryan Bedder/Getty Images)

ゲーマー以外の層にも響くゲーム──。4年前、モバイルゲームの制作会社「Dots(ドッツ)」を立ち上げるにあたり、CEOのポール・マーフィーはそんなゲームに可能性を見出したという。そして可能性を現実にするために、多様な人材を採用した。

「ダイバーシティに関しては(中世ヨーロッパの)暗黒時代並みに遅れている」とマーフィーが言うモバイルゲーム業界にあって、Dotsは社員50人の半数以上を女性またはマイノリティ人種が占める。

マーフィーが女性を積極的に雇うのは、業界の閉鎖性を破るためでもあるが、パズルゲーム「Dots」をはじめとする同社商品のユーザーの多くが女性であることも大きな理由だ。「主に女性がプレイするゲームなのだから、作り手も女性であることが望ましいと思っていた」とマーフィーは振り返る。

Dotsでは、開発から、デザイン、マーケティング、経営まで、あらゆる部署で女性がリーダー職に就いている。優秀な女性を集めるにあたり、マーフィーはリモートワーク・フレックスタイム制度や研修制度を取り入れて働きやすい環境を整えるだけでなく、「テック業界の著名人や、女性技術者の人脈が広そうな人とコネクションを築く努力」を重ねてきた。

やがて女性を上位職に登用し始めると、次々に新たな人材が現れ、「自分たち経営者が動かなくても、女性のエンジニアやデザイナーが他の女性同業者を引っ張ってくるようになった」。

Dotsが人種や文化的バックグラウンドの多様性を重視する理由も、女性の場合と同様だ。同社はアジア、ヨーロッパ、南北アメリカにわたる広範囲の人材を採用しているが、それはユーザーが世界各地に散らばっているからで、マーフィーが言うところの「利己的な理由」による。「私たちのゲームは世界中の1億人にダウンロードされています。作り手も、ユーザーの多様性を反映したチームであるべきだと思いました。彼ら(各国のスタッフ)の存在抜きにはこの会社は成り立ちません」

トランプの排他主義には異論を唱える

昨今のトランプ大統領による入国制限命令は、Dotsにとって痛手だったが、同時にダイバーシティの重要性を再確認するきっかけになった。「アメリカの一企業として、トランプの排他主義はDotsの方針とは異なることを表明したいと思いました。私たちは誰も排除したくありません。すべての人に私たちの製品を体験してもらいたいのです」

今年のはじめ、Dotsは同社のアプリゲーム内にアメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union)への寄付を呼びかけるポップアップを設置した。「Slack(ビジネス向けチャットツール)で社内の皆に提案したところ、瞬く間に約半数がオンラインになった。スタッフが自主的に関わってくれたことが素晴らしい」とマーフィーは語る。

寄付を募るメッセージは、国際色豊かなスタッフの手によって一晩で各国の言語に翻訳され、世界中のゲーマーに届けられた。Dotsは寄付総額を明かしていないが、1月下旬の週末だけで50万人が寄付画面にアクセスしたと発表している。

 ACLUへの支援を表明したこの試みは、Dotsで働く人々に、企業が政治的な活動を行うことの意味や、そのタイミングについて議論する機会をもたらしたとマーフィーは言う。「企業の核となる価値観を形にし、それを活動の指針とすることが重要です」

編集=海田恭子

 

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