ミシガン大学交通研究所が米国の成人およそ500人を対象に実施したインターネット調査の結果によれば、回答者の過半数が「移動時間の短縮に期待」する一方で「安全性には不安がある」と答えた。
同研究所が4月下旬に発表した報告書によると、米国の市民はそのほか、事故の減少や燃費の向上、温室効果ガス排出量の削減を期待しているという。
ただ、報告書によれば回答者の3分の2近くは、空の安全性について「非常に懸念している」。その他に指摘が多かったのは、「空の混雑」「悪天候時の飛行」「夜間の飛行」に対する懸念だった。また、回答者の3分の1は「運転(操縦)技術の習得方法をどうするのか」という点に疑問を持っている。
回答者の多くが空飛ぶ車に希望するのは、次のようなことだ。
・ ガソリンではなく電気で駆動
・ 航続距離は少なくとも400マイル(約644km)
・ 離着陸は航空機ではなくヘリコプターのように(垂直に離着陸)
また、定員については「3~4人にすべき」との回答が60%を超え、「1~2人」が22%、「5~8」人が16%となった。
そのほか回答者の4分の1は、価格が10万~20万ドル(約1111万~2223万円)なら「間違いなく手頃な価格」だと答えた。3分の1は、保険料は一般的な自動車保険の2倍にはなるだろうと考えていることが分かった。
操縦については、ライセンスを保有するパイロットに任せるよりも「自分で行いたい」と答えた人たちもいた。だが、飛行訓練についてはその半数以上が、「20時間までにすべきだ」と考えている。
スロバキア企業が受注開始
複数の企業がすでに、空飛ぶ車の開発に取り組んでいる。スロバキアの首都ブラチスラバに本社を置くエアロモービル(AeroMobil)は4月20日、モナコで開催されたスーパーカーの見本市「トップ・マルケス・モナコ」で、年内に空飛ぶ車の予約注文の受付を開始すると発表した。500台限定で生産し、価格は130万~160万ドル(約1兆4450億~1兆7790億円)となる。実際に操縦するには、ライセンスを持つパイロットが必要だ。