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Kaspars Grinvalds / shutterstock.com

バーチャルリアリティ(VR)の世界を、より優しさと感情に満ちたものにしようという試みがある──。

スイスのテック企業MindMazeが開発した「MASK」はVRヘッドセットに取り付けるデバイスで、ユーザーの表情をアバターにリアルタイムで反映する。グーグルの場合は顔をカメラで撮影して感情を読み取る技術を採用するが、MASKは人間の生体信号を活用し感情を読み取るという。

MASKは発泡体のパッドに内蔵された電極を通じ、表情を作り出す電気信号を測定する。脳から発せられた電気信号を読み取ると同時に、ゲーム内のアバターにそれが伝わる。発泡体のパッドはユーザーの顔の形になじむため、脳から送られる電気信号を正確に検知する。MASKは個々人に対応した学習アルゴリズムを使って感情を予測し、人間が表情を作るよりも早くアバターに反映することも出来る。

この技術を普及させるためMindMazeは安価なVRヘッドセット用パッドも開発した。テストではグーグルのデイドリーム(Daydream)やオキュラスリフト、HTC Vive等のヘッドセットで使用できることが確認されている。

創業者でCEOのTej Tadiは「MASKはVRをメインストリームに進出させるという目標の下、エンゲージメントを高める上で極めて有効な、感情をVRに取り入れることを可能にした」と述べている。

MASKの技術は、ゲーム分野に限らずヘルスケアの領域でも活用が期待されている。表情を読み取る技術や遠距離でも使える特性は様々な治療に適用可能だ。

例えば自閉症の子供たちにとっては、他者の感情を認識し反応を返す練習に役立つとTadiは説明する。「すでに一部の患者で“バーチャルな遊び場”を試している。自宅やクリニックからも参加でき、親のアバターの表情を見ながら他者とかかわることができる」

Tadiの一番の目標は、これまで感情が持ち込まれてこなかったテック業界に感情を取り入れることだ。「テクノロジーの隙間を埋める技術をヘッドセットに導入することで、この分野の可能性を拡大する」

MindMazeは公式ホームページで、MASKのテクノロジーについて詳しく解説している。

編集=上田裕資

 

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