「何か気になることでもあったの?」と聞くと、娘は「うん! この人、『シカゴ一の専門販売員』って書いていたけど、そんなことどうして分かるの? ランキングがあるわけじゃないでしょ?」。
「そうね、この人、自分をそう呼んでいるだけなの」と言った私に、娘はこうもらした。
「それってすごく残念。誰でも自分を『シカゴ一の専門販売員』と呼べるなんて、すごく子供っぽい。学校の子が周りに、自分はクラスで一番の歌手だとか、一番のバレーボール選手だって自慢するみたい」
転職活動で周囲と差を付けようとするがあまり、自分は近所で一番のセールスマンだとか、その都市で指折りのデジタルマーケターだと主張するのは、ダメな自己PRの仕方だ。本記事では、こういった「ダメ自己PRの例6選」を紹介する。
「ダメ自己PRの例6選」
・自称「第一人者」「重要人物」「専門家」
・ゾンビ型PR
・トロフィー列挙
・「一番の」「トップの」「唯一の」
・できる仕事の羅列
・「ディスラプター」「カタリスト」「変革推進者」
一つ一つ説明していこう。
まず、自分のことを「第一人者」「重要人物」「専門家」と言ったり、「〇〇に精通した」「戦略的」「先見的」などと自画自賛したりするのは、自分の中にある恐れに基づく行為であり、誰の心にも響かない。リンクトインのプロフィールや履歴書には、単に自分の体験談をつづった方が、あなたの力強さ、競争力、人間味を効果的に伝えられる。
「ゾンビ型PR」とは、ビジネスでよく聞くありきたりで味気ない言葉を使った自己PRのこと。例えばこんな具合だ。
「機能横断型チームの統括や、エンド・ツー・エンド型ソリューション開発、革新的で戦略的なイニシアチブを通じた価値付加に長けたボトムライン重視型ビジネスプロフェッショナル」
こうしたPRには人間味が感じられなく、ゾンビやロボットのような印象を与えてしまう。これでは自分の経験は伝わらない。ゾンビ型PRが物語る以上の力が、あなたにはあるはずだ。