完全自動運転車に「不安感」、米ドライバーの8割近くが回答

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完全自動運転車が道路を走る将来に対する米国人の心境を表現するのに最適の言葉は、心理学でいうところの「接近・回避葛藤」かもしれない。一つの物事に対し、プラスとマイナスの両方の気持ちを持っているということだ。

全米自動車協会(AAA)が実施、3月上旬に公開した調査結果によると、車を運転する米国人の78%が、完全自動運転車に乗ることに恐怖を感じると答えた。一方、次に購入する自動車は自動運転機能が付いたものを選びたいと答えた人は、59%に上った。

つまり、自動運転テクノロジーは歓迎するものの、運転を完全に自動車に任せてしまう心の準備はできていないようだ。

AAAの調査ではその他、次のようなことが明らかになった。

・ 自分が運転し、走行する道路を自動運転車も走ることについて、米国のドライバーたちは、次のように考えている。

「不安感が高まると思う」── 54%
「変わらないと思う」── 34%%
「安心感が高まると思う」── 10%

・ 「不安感が高まると思う」と答えたのは、女性の58%、男性の49%だった。

・ 「不安感が高まると思う」と答えた人の割合には、世代による違いがみられた。

ベビーブーマー世代 ─ 60%、X世代 ─ 56%、ミレニアル世代 ─ 41%

・ 自動運転テクノロジーを歓迎する人の割合にも、世代による違いがみられた。

ベビーブーマー世代 ─ 51%、X世代 ─ 54%、ミレニアル世代 ─ 70%

・ 自動運転テクノロジーに恐怖感を持つ人の割合も、世代によって異なっている。

ベビーブーマー世代 ─ 85%、X世代 ─ 75%、ミレニアル世代 ─ 73%

・ 自動運転テクノロジーに恐怖感を持つ人の割合は、女性の85%、男性の69%だった。

AAAはこうした結果について、現在の「運転支援システム」が人間の運転に取って代われるだけのテクノロジーではないことが、ドライバーたちの考え方の背景にあると見ている。また、技術は時間とともに進歩を続けるが、運転する人たちはハンドルを握っているときには常に、警戒感を持ち続ける必要があると指摘している。

編集 = 木内涼子

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