Close

Forbes JAPAN 会員登録で
3,000円分のギフト券が当たる!

PICK UP

記事が気に入ったら
いいね!しよう

LIKE @Forbesjapan

Forbesjapanを
フォローしよう

FOLLOW @Forbesjapan

I write about the broad intersection of data and society.

photo by Joe Raedle / gettyimages

世界中のメディアでここ数ヶ月の間に急浮上したキーワードが「偽ニュース(fake news)」だ。オーストラリアの辞書「Macquarie Dictionary」はこの言葉を2016年のワード・オブ・ザ・イヤーに選出したほどだ。

しかし、偽ニュースという言葉はいつから使われ始めたのだろう。グーグルニュースを調べると過去数ヶ月で650万ものニュースがこの話題に触れているが、その起源を明かしているものは皆無だ。

偽ニュースの起源は20世紀初頭の世界大戦の時代にさかのぼる。戦時中に政府のプロパガンダとして流された、偽の情報が始まりだ。西暦1500年頃から現在までの書籍のテキスト情報が検索可能なグーグルの「NGrams Viewer」を見てみると、fake newsというフレーズは第一次世界大戦の初頭に登場し、第二次世界大戦中にピークを迎えている。

当時の偽ニュースは主に、一般大衆の信条や感情を操作するために、政府が故意に誤った情報を流すものだった。しかし、現在の偽ニュースは一体いつ頃が起源なのか。この疑問を解き明かすため筆者は昨年12月、Internet Archiveのテレビニュースアーカイブの協力を得て、GDELT Television Explorerという調査ツールを立ち上げた。

このツールを用いると2009年以降にオンエアされた、200万時間近くの米国のテレビニュースから、特定の単語やフレーズが検索可能になる。その結果、分かったのはfake news というフレーズは、2009年から2016年まで、大手のテレビニュースで、ほとんど用いられてなかったという事実だ。

fake newsというフレーズは昨年秋にデビューし、一夜にしてブレイクを果たした。正確に言うと、それは2016年の11月11日のことだった。この日付はまさに、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグがカンファレンスの壇上で、この話題にふれた日のことだ。

「フェイスブック上の偽ニュースが選挙結果に影響を与えたという説があるが、それはかなりクレイジーな発想だ。個人的な考えとしては、それはあり得ないと思う」とザッカーバーグは発言した。彼の発言を発端にしてfake newsという言葉は、一気にメディアを駆け巡ることになった。

その後、決定的だったのが今年1月11日のドナルド・トランプの記者会見だった。会見の席上、トランプはCNNを「偽ニュース」と呼んだ。その瞬間からこの言葉はジャーナリズムを罵るための言葉という新たな使命を帯びるようになった。

結論としては、偽ニュースの起源は第一次世界大戦中であるが、現代社会にこのフレーズを復活させたのはマーク・ザッカーバーグだ。かつて、世論をミスリードする目的で使われた偽ニュースは、SNS全盛の現代社会でクリックを稼ぎ、広告収入を生み出すツールとして用いられるようになった。

そして、ドナルド・トランプ政権下でこの言葉は新たな進化を遂げた。今や偽ニュースという言葉はメディアを攻撃する際の、最大の武器として使われつつある。

編集=上田裕資

 

あなたにおすすめ

合わせて読みたい