「画面を見なくても遊べるように、スマホに連動したウェアラブル機器のポケモンGOプラスを開発した。さらに安全に遊んでもらうために、任天堂と新しい機器の開発を検討している」
ポケモンGOプラスを装着すると、ユーザーの周囲にポケモンが出現したり、ポケストップに接近した場合に振動で教えてくれる。ボタンを押すとポケストップで道具を入手したり、ポケモンを捕獲することができ、成果を後でまとめて確認することもできる。
ポケモンGOで遊んでいる最中に事故が発生し、ゲームの危険性が指摘されているが、スマホ画面を見ながらの事故は日常的に起きている。ポケモンGOのプレーヤーが数億人規模であることを考えると、これが特別に危険なゲームとは言えないだろう。
米国内ではこれまで大きな訴訟は起きていないが、ナイアンティックと任天堂、ポケモンはゲームの安全性向上を重く考えている。これまでに、一定の速度以上で移動をすると操作に制限がかかるように仕様を変更し、ポケモンGOプラスもリリースしているが、さらに安全なデバイスを開発しようとしているのだ。しかし、ポケモンGOプラスよりも安全で、ゲームの楽しさを損なわないデバイスの開発が可能なのだろうか。
面白さと「安全」は両立可能なのか
購読者数が約60万人に及ぶポケモンGOの人気ユーチューブチャンネル「Trainer Tips」は「この新デバイスを投入するまで任天堂は第2世代のポケモンを実装しない」と推測している。しかし、筆者はこの意見には反対だ。なぜならば、石原CEOは、新デバイスの開発に着手したとは言っておらず、まだ検討段階なのであればリリースは当分先になると予想されるからだ。それまで第2世代を実装しないのはポケモンGOにとって致命的で、ユーザーのエンゲージメントを高めるためには、遅くとも3月中に実装する必要がある。
ポケモンGOの醍醐味は、屋外に出て体を動かし、冒険を楽しむことだ。ほとんどのプレーヤーは安全に遊ぶことができるが、ごく一部では危険な目に遭うケースも出てくるだろう。しかし、それはジョギングをしていても同じことだ。大人であれ子供であれ、外で遊ぶときは危険な場所への立ち入りは避けるべきで、道を渡るときは左右を確認するといった基本的なルールを守る必要がある。
冒険性と安全性の両方を追求するには限界があり、赤ちゃんでも安全に遊べるようにしてしまうと、ゲーム本来の楽しさが失われてしまう。ナイアンティック、任天堂、ポケモンには、安全性に固執するあまりゲームのコンセプトを破壊しないようお願いしたい。