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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

ジャパンタイムズ執行役員、大門小百合(写真=セドニック・ディラドリアン)

働き続けるためにやむなくつくった「パートタイム・デスク」制度。記者やデスクに女性社員率が上がり、思った以上の変革が起きた。

一面記事は、新聞の顔である。ジャパンタイムズに女性デスクが増えたことで、そこに、ある変化が起きた。待機児童、子どもの貧困、介護といった生活に密着した社会問題が、大きく取り上げられるようになったのだ。そこには、長年のデスク業務を経て同紙初の女性執行役員となった大門小百合の功績が大きい。

デスクは、記者が書いた記事を精査し、編集するのが仕事だ。いわば記者、編集者の代表として、紙面構成の責任を担う。いくら記者がいいネタを見つけても、デスクの理解を得られなければ追いかけることができない。「こうして社会の問題は見過ごされることがある」と大門は言う。

例えば介護問題。女性に比べて自分ごととして捉える機会が少ないためか、男性デスクはなかなか取り上げたがらないそうだ。「今やらなくても」「先にこの経済ニュースを取材してこい」と言われ、中面に追いやられがちだという。

東日本大震災の時が顕著だった。犠牲者の数に報道が集中する中で、授乳する場所がない、生理用ナプキンが足りない、などの問題に光を当てたのは女性記者だった。女性記者には共感力が高く、当事者に寄り添うような取材を得意とする人が多いと、長年現場を見てきた大門は考えている。

デスクに新たな視点が加わったことは、予期せぬ効果もあった。男性記者の関心の幅が広がっているというのだ。養子縁組など、今まで深掘りしてこなかったテーマを追う記者も増えているという。「JKビジネスについて女子高生に取材し、彼女たちの状況を必死で伝えようとしている男性記者もいる」と、大門は語る。「世の中、男女は半数ずついるのだから、報道も両者の視点を持ってこそ」という信条が生きた紙面が、実現してきているのだ。

切実な思いが生んだパートタイム・デスク

今でこそ女性デスクが増えたジャパンタイムズだが、最初からそうだったわけではない。ネックとなっていたのは、デスク担当者のライフ・ワーク・バランスの取りづらさだ。それを変えたのが、他でもない大門なのである。

ジャパンタイムズは日本でもっとも歴史のある英字新聞だが、社員の数は150人弱ほどと新聞社としては少人数だ。デスクは各自1〜2ページを担当し、シフト制で回すが、人員に余裕はなく、ひとりでも抜けるとページに穴が開きかねない。大門が部長としてデスクを担当していた当時は、休日はおろか、昼も夜も関係なく仕事が舞い込んでくるようなシビアな環境だった。子育てとデスク業務の両立は難しく、多くの場合、家庭を持つ女性はデスク職から退く決断をする。

文=みよしみか

 

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