ビジネス

2017.01.27

資産3.5兆円のアジアNo1の富豪、王健林が語る「中国の未来」

photo by Hong Wu / gettyimages


――ワンダのテーマパークビジネスをどう評価するか。

我々にとってこの分野はまだ新興事業で今も学習段階にある。しかし、市場そのものに関しては楽観的に考えている。ワンダ・シティのビジネスモデルはテーマパークにとどまらず、飲食店街や人工の景観施設など他の商業、観光要素を含んでいる。我々が造りたいのはテーマパークではなく、休暇を過ごす場所だ。世界に同様のモデルは存在せず、ワンダ・シティは足場が固まるまで2~3年かかるとみている。

中国の国内観光産業はこの数年、毎年15%以上の成長を続けている。一方、中国人の海外旅行者は毎年2兆元(約33兆円)以上を使っている。つまり、既存の国内観光商品では、消費者ニーズを十分にとらえきれていないということだ。我々は国内観光の分野で、人々を引き付けられる高品質の商品を提供していく。

――中国の不動産マーケットの見通しは。

中国マーケットは単一ではなく、地域によって状況が違う。過去の不動産政策は、国単位のマーケットに基づいてきたが、今は地域による二極化が鮮明だ。第二に、中国の不動産マーケットの主なリスクは、三、四級都市あるいはそれ以下の小さな都市にある。一、二級都市の不動産価格は上昇が続いてきたが、長期投資の観点からはまだ安全と言える。

――以前、中国は不動産バブルに直面していると語っていたが。

私は“バブル”を、以下のようにとらえている。まず、一級都市と二級都市はバブル化しているが、それに伴うリスクは低い。それより小さな都市では、流入者に比べて流出者が多いので、バブルのリスクがより大きく、マーケットに消化されにくい。また、住宅バブルは実際の建物や仲介人がいるという点で、株式市場のバブルとは同列には扱えない。我々はそのバブルを徐々に小さくする必要がある。不動産バブルがはじけたら、中国の将来へのダメージは計り知れない。

――あなたは62歳だが、今も世界を飛び回っている。健康の秘訣は。

北京ではジムに通っている。他の都市にいるときは外で運動しているが、北京では空気が悪いので控えている。基本的には空き時間を見つけて毎日ジョギングをしている。米国に行ったときには、時差ボケ解消にも役に立つ。

編集=上田裕資

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